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きょうされん愛知支部  障害持つ子 母は訴える ”先考えると不安 国は改善して”

 

「障害のある人も、ない人も、分けへだてのない社会をつくろう」―。名古屋市中区で21日、障害者や家族、施設職員ら60人ほどが雨の中、2時間近くにわたって国会請願署名活動、リレートークをしました。きょうされん愛知支部(あいされん)の「春のがんばるデー・栄宣伝行動」です。
 
支部長の小川春水さんは「国は、私たちとの約束(自立支援法違憲訴訟の和解文書)を守ってほしい」と強調。参加者は、日本が障害者権利条約を批准し、2月19日に発効したが、障害者が日本で生きていく上でさまざまな困難があると述べ、「障害者権利条約に恥をかかせないで、世界のルールを日本でも」と署名を呼びかけました。
 
駆け寄って署名する女性(24)の姿も。「祖母も透析が必要で、私にも軽度の精神疾患があります。税金もこういうところに使ったらいいのに」と語りました。
 
社会福祉法人「さくらんぼの会」の大野健志理事は、「日本では障害者は就労していても労働者だと認められず、失業保険もでない。限られた場でしか生活ができず、暮らしも選べない。社会福祉労働者の労働条件も厳しく、世界的に立ち遅れた状況だ」といいます。
 
障害を持つ娘と暮らす中尾優子さん(53)は、「親と一緒なので暮らしていけるが給与は小遣いになる程度。この先を考えると不安。改善を求めて国に訴えていきたい」。

施設で弁当作りをしている息子の母親・加藤照代さん(53)は、「施設職員も給与が安く生活が大変。支えてくれる職員がいなくなり、精神的に不安定になるのが心配。職員が安定した暮らしを送れるようになってほしい」と話しました。