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社会全体の取り組みでいじめ一掃 党愛知県委 ともに考える懇談会

もとむら氏あいさつ

 
「いじめのない学校と社会を ともに考える」懇談会が名古屋市内で25日開かれました。教師や父母、高校生ら50人が参加し、「いじめのない学校と社会」をめざし活発に討論しました。日本共産党愛知県委員会主催。

 開会あいさつで、もとむら伸子参院愛知選挙区予定候補が「『いじめ自殺』が各地でおき、多くの人が心を痛めている。参加した様々な立場の人が『いじめ』問題解決の一助となるよう大いに話し合いましょう」と述べました。

 愛知教育大学の藤井啓之教授は「いじめ」の要因や背景に「自己選択・自己決定・自己責任という新自由主義の影響や競争的な教育制度」があると指摘。解決方向として「こどもに多層的で、豊かな集団活動を経験させることが大切。そのなかで民主的ルールを学んでいく」と語りました。

小学3年生担任のベテラン教師は「『学校は友だちと仲良くし、楽しく遊び、そして勉強する』をモットーに児童と接している。いじめ、不登校、虐待は担任や校長など一人に任せるのでなく、教職員全員が共有し、集団で論議し解決にあたっている」と学校での取り組みを報告しました。

いとこが自殺した高校3年生の女子生徒は「親とはけんかばかりで、最近は全く会話がない。自分は経験ないが『いじめ』にあっても親に相談する気になれない。3年生になり進学とか友人とも競争相手になり距離感が広がり相談できないと思う」と語りました。

 小学6年生担任の教師は、「こどもたちは学校から帰っても塾だ、習い事だと時間的、精神的に余裕がない。『いじめ』に発展する危険性がある」と発言、元養護学校教師は「小さい頃から障害児と健常児がプールでいっしょに遊ぶと、弱い立場の人に配慮する気持ちが育まれる。教師の『だめだ。やめろ』と言う上から目線の指導では解決しない」と語りました。

 岡田ゆき子名古屋市議は、地域での見回り、声かけなどの取り組みを紹介し、「ベテランの団塊世代の教員が退職し、名古屋市では30歳未満の教員が6割。任期1年の臨時教員が15%。任期1年では『いじめ』解決に十分取り組めない。臨時教員をなくし、学校現場で解決に取り組めるよう教員体制の強化が必要」と話しました。

 党中央委員会の藤森殻氏が、文教委員会責任者が、「いじめ」問題の解決にむけた党の提案についてチームをつくり、聞き取り調査をふまえて作成した経過、提案内容を説明。「子どもの命最優先の立場で今後、党としてとりくみを強めたい」と強調しました。(5月29日)