ニュース

青年・学生が学習・交流会ー原発事故、米軍基地 愛知

 
 「みんなが主役、語って、きづく(気づく、築く)平和のつながり」を体現しょう――愛知県東海市で「うずらえっぐ2012」が10月13、14の両日、開かれ、県内から43人の青年・学生が原発、米軍基地、平和について学び、考え、交流しました。

 「うづらえっぐ」は日本平和委員会がピースエッグ(青年平和学校)に参加した青年が「愛知県でも平和学校を開こう」と声をあげたのが始まり。愛知県平和委員会青年学生部が中心になり、愛知県学生自治会連合、日本民主青年同盟愛知県委員会など青年学生団体が協力して開催。

 今年のメイン企画は「平和に生きるって何?~リアルに平和を考えよう」。報告したのは友人を米軍属の事故でなくした新垣翔士さんと、「平和新聞」編集長の布施祐仁さんです。

基地問題語る

 新垣さんは、東海市の工場で一緒に働いていた友人が2011年1月、成人式のため沖縄県に帰省し、交通事故に遭った経緯を説明しました。対向車線から飛び出してきた運転手は米軍基地所属の軍属。「本来なら犯人は、犯人は逮捕されて懲役刑になるのだろうが、日米地位協定の規定で公務中の米兵、軍属の犯罪は日本で裁けない。不公平な日米地位協定は改めるべきだ」と強調しました。

 布施さんは取材した東京電力福島原発で働く労働者の実態を述べ、「原発で働く労働者は1時間で、一般の人の1年分の放射線を浴びる。危険な仕事だが求人を出すと格差と貧困の拡大でニートや失業している若者が多数応募してくる」と話しました。

 2人を交えた討論では、大学3年の女子学生が「沖縄出身の友人から騒音や米兵の犯罪の話は聞いたことがあるが、事件を起こしても日本で裁判できないとは知らなかった。日米地位協定の改定も必要だが、根本の解決は米軍基地をなくすこと」と発言。病院で働く女性は、「病院の放射線技師は検査時に放射線を浴びないよう細心の注意を払っている。十分な防護対策をせず原発で働かせる国や東京電力が許せない。原発ゼロめざし署名に取り組む」と言い、大学4年生の男子学生は、「自衛隊員になった高校の同級生がいる。彼は進学希望だったが経済的理由で断念した。地元では求人が少なく自衛隊に入った。原発労働者と同様に貧困が要因だと思う。米軍の志願も低所取得の家庭の子弟が多いと報道されていた。戦争も根本には貧国とか格差があると思う。格差社会をなくさねばならない」語りました。

 「被爆体験を聞く会」「知多半島の戦跡巡り」「学生の学ぶ権利と平和運動」などの分科会が開かれました。

勇気もらった

 参加した青年からは、「平和問題に関心がある人が40人以上も参加したのに驚いた。そして原発、基地、戦争などの問題を様々な角度からグループ討論ができたのがよかった。来年もぜひ開催してほしい」(大学院生)、「先輩に誘われて参加した。他の大学の友だちもできたし、平和を愛する人が県内に大勢いることに勇気づけられた。戦争や原発をなくす運動を学内で広げたい」(大学1年生)などの感想が寄せられています。

 実行委員会の高橋明希事務局長は「多くの参加者から『宿舎で平和、原発、基地などの問題で夜を徹して話し合いができてよかった』の声が寄せられています。準備が大変ですが、来年も開催できるようにしたいです」とうれしそうに話しました。(10月18日)