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派遣法「骨抜き」改定案ひどい 東海地方の弁護士ら抜本改正へ集会

 

 「製造業派遣の原則禁止」などが削除された「骨抜き」労働者派遣法改定案は、3月27日に参院厚生労働委員会での採決が狙われています。今も「派遣切り」の影響が残る東海地方の弁護士らは22日夜、名古屋市中区で同法の抜本改正を求める集会を開き、約100人が参加しました。
 
雇用の継続や未払い賃金の支払いなどを求めて裁判をたたかった元派遣労働者ら6組が自らの体験を基に派遣法の非人道性を告発しました。

 三菱電機の元派遣社員の女性は「切られたとき『収入が無くなる、母子家庭なのに生活ができない』と娘との親子心中を考えました。でも、14歳の娘の命を奪ってはいけないと、思いとどまりました。私たちはモノじゃない。命ある人間なんです」と訴え、「派遣切りにあった人の力になる法改正にしなければ」と力を込めました。

 派遣会社・日総工産の正社員だった男性は、「派遣切り」について「人がモノとして扱われた。こんなに簡単に切っていいのか、目の前で起きていることがありえない、と初めて派遣のおかしさに気付いた」と振り返りました。

 名古屋大学の和田肇教授が講演し、労働者派遣は派遣先企業が雇用責任を持たない「異常な形態」であるため安易な首切り等の人権侵害が起こりやすいと説明。立法で解決する必要性をのべました。

 集会では抜本改正を求める決議を採択しました。主催は東海労働弁護団など3団体。決議を各党に送付するとともに、派遣問題で世論をつくりたいとしています。(3月24日)