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国は原爆症を認めよ 名古屋地裁で第1回弁論で原告

 
 
 原爆症認定申請を却下された愛知県内の被爆者3人が、国に却下処分の取り消しを求めた新しい原爆症認定訴訟の第1回口頭弁論が1月25日、名古屋地方裁判所(増田稔裁判長)でありました。

 原告の一宮市の森敏夫さん(87)、清須市の山田初江さん(79)、名古屋市緑区の高井ツタヱさん(75)が意見陳述をおこないました。

 広島の爆心地から1・5??の陸軍兵舎で被爆した森さんは「陸軍兵士として軍の命令で1945年8月6日の被爆直後か同年�Y月末までの3カ月近く、下痢や、おう吐に見舞われながら復旧作業をした。いっしょに作業をした戦友は次々と死んでいった。生き残った私が患っている白内障は長期間に渡り、放射線量が高いなかで作業したのが原因」と訴えました。

 姉妹の山田さんと高井さんは爆心地から5・4??の長崎で被爆。いとこの安否確認のため爆心地から2??まで近づきました。山田さんは「私は肺がんと乳がんと2度もがんを患った、妹は慢性甲状線炎に苦しんでいる。福島原発事故は他人事とは思えない。再び放射能の苦しみや不安を味わう人が出さないようにとの思いで提訴した」と述べました。

 裁判後の報告集会で弁護団の樽井直樹事務局長は「国は原爆認定集団訴訟の連続敗訴で2008年に緩和した認定基準を決めた。新しい基準では3人の原告が患っている白内障や甲状腺機能低下を認定するとしている。国は放射線被爆の過小評価を改め3人を原爆症と認めよ」と語りました。
 裁判に先立ち、地裁前で原告や支援者が集まり支援集会を開きました。(1月27日)