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名古屋で雇用を考えるシンポ 就職活動長期化考えて

 

愛労連や教職員組合などがつくる、青年の就職保障と労働を考える愛知県連絡会は12月3日、高校生・大学生・青年の雇用を考えるシンポジウムを開きました。学校関係者や中小企業経営者ら6人がパネリストを務め、会場には53人が集まりました。

 愛労連の榑松佐一議長は「就職氷河期と言われて久しく、資格が取れるとうたった詐欺まがいの業者も出てくるなど、現状はひどい。雇用の問題にどう向き合うか考えていきましょう」と開会あいさつしました。

 県立高校教員の足立利浩さんは「求人が少なく生徒間の取り合いになる上に、生徒たちのあこがれる職業と、紹介のある求人内容との差があまりにも大きい」と報告。中京大教授の竹田昌次さんも、「就職活動が3年生から始まることで長引き、会社ごとに志望動機の異なる履歴書を30枚書くケースもある。このままでは就職活動に学業がつぶされてしまう」と述べました。私大教連の中村浩也さんは、「就職が決まらなかった卒業生も大学が面倒をみているのが現状。就職活動の早期化・長期化も是正してほしい」と話しました。

 中小企業家同友会の北川誠治さんは、人材獲得の期間が長引くと、中小にはコストもかかり経営にも影響するなどの実情を報告し、全労働愛知支部の竹田一弘さんは、企業が将来発展していくためにも、若い人をもっと雇える経営環境にあることが望ましいと述べました。
 県内の大学4年生は「何をやりたいよりも内定さえもらえればどこでもいい、なんてことになりたくない。学生同士で横のつながりをつくって、雇用の問題を考えていけるようにしたい。みなさんにもぜひ協力してほしい」と話しました。

 全労働省労働組合の河村直樹副委員長は、基調講演で「高校新卒者の内定率は全国41・5%で愛知は58・4%。地域格差も非常に深刻です。内定がもらえないケースに手当を創設することや、中小企業の経営環境の改善を図ることが必要で、今後も政府に言うべきことを言っていきたい」と話しました。(12月6日)