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名古屋市議選の結果について 日本共産党愛知県常任委員会

名古屋市議選の結果について

                       二〇一一年三月十四日 県常任委員会

一、十三日投開票が行われた名古屋市議会議員選挙は、民主党政権に対する国民的な批判が高まり、古い政治の枠組みの基礎が崩れつつある中、「既成政党対地域政党」「前職対新人」というニセの「対決構図」によるマスコミの大キャンペーンが行われ、日本共産党を有権者の選択肢から外す攻撃が吹き荒れる中での選挙でした。
こうした状況で、日本共産党は十六人の候補者を立ててたたかいました。選挙の結果は、西区、天白区、港区の現職三人と北区、緑区の新旧交代二人の五議席を確保しましたが、昭和区、守山区、中川区で現職を落選させ、現有八議席には届かないという残念な結果となりました。得票は、前回いっせい地方選からは二万七千九百八票減らしましたが、選挙の出発点である前回参院選比例票と比べ九百七十三票増やし、六万二千九百十六票(得票率八・一七%)の支持を得ることができました。こうした結果にマスコミも、日本共産党は「ふみとどまった」「底力をみせた」と報じました。
全体の政党状況は、減税日本が一議席から二十八議席へと大きく議席を増やし、民主党が二十七議席から十一議席へと激減させたことが特徴です。自民、公明も議席を減らし、みんなの党は議席を得ることはできませんでした。得票も、民主党、自民党、公明党、みんなの党いずれも、前回参院比例票から大きく減らしています。
  日本共産党を支持していただいた有権者のみなさんに対し、また、党の前進のために昼夜をわかたず奮闘していただいた支持者、後援会員、党員のみなさんに対して、心からのお礼を申し上げます。

一、今回の選挙戦は、一昨年の総選挙での自民党・公明党から民主党への政権交代、昨年の参院選での民主党の激減など「二大政党」への国民の批判が強まり、政治への閉塞感が強まる中で、新しい装いで古い自民党政治の流れをすすめようとする「維新の会」「減税日本」がマスメディアのキャンペーンとあいまって、全国的な流れをつくろうとする企ての全国で最初の本格的な選挙でした。それだけに選挙戦は、これまでに体験したことのない激しさ、困難さ、厳しさをもったたたかいとなりました。
日本共産党と候補者は、「政治を変えたい」という市民の思いに心を寄せて、市民のために働く議会に改革する決意を語り、河村市政と正面から対決して、河村市長の「減税」の本質が福祉削減とセットであることを事実で告発し、国保料一人一万円引き下げ、住宅リフォーム助成創設など市民の切実な要求の実現をかかげ、「福祉日本一の名古屋」を取り戻そうと訴えてきました。また、市長言いなりの「減税日本」や、市長にすり寄る民主、自民、公明では翼賛議会となること、市民のために働く日本共産党の議席がどうしても必要であることを訴えてたたかいぬきました。他党にはまねできない日本共産党の候補者の人間としての魅力・実績も大いに訴えました。日本共産党と候補者の訴えは、届いたところではどの選挙区でも有権者に積極的にうけとめられ、日本共産党に期待と共感が寄せられました。
とりわけ、選挙の最終盤の十一日に東北地方太平洋沖地震が発生し、東北・関東地方に大きな被害が出る中、日本共産党が対策本部を立ち上げ、候補者先頭に救援募金活動に取り組んだことは、「さすが共産党」「選挙に行く意欲がなくなっていたが、共産党に励まされた」と、党と候補者への大きな共感を広げました。
しかし、市長選や議会解散で示された「政治を変えたい」という市民の思いの一定数が、「改革」ポーズをとる河村市長が代表である「減税日本」へ流れ、河村市長と「減税日本」を告発する論戦が、全有権者規模で浸透するまでには至りませんでした。
名古屋市議選の結果についての全面的な総括は、いっせい地方選後半戦が終了した後に、党内外のみなさんの意見にも耳を傾けて深く議論していくようにします。

一、今回の選挙戦の結果は、現有議席の確保と前進という目標に照らせば、残念な結果となりましたが、マスメディアがゼロか一になると厳しい予想をする中で、五議席確保したことは、新たな装いで、古い自民党政治をすすめようとする勢力とのたたかいという点では、全国的にも重要な教訓をつくりだした選挙でした。
論戦の基調を徹底するとともに、後援会や支持者に徹底して依拠して、選挙に協力する担い手を広げに広げることや、党員や「しんぶん赤旗」など党の自力をつくる活動が、勝敗をわける決定的な力となりました。
どんなに「厳しく、激しい」選挙であっても、市民の心に届く論戦と、全有権者に論戦を届けるための担い手を広げる活動、草の根で市民と結びつく日常活動をはじめとした党の自力を強くする活動などやるべきことをやりぬけば、かけがえのない党の議席をまもることができることを名古屋市議選のたたかいは示しました。
県議選や、いっせい地方選挙後半戦にも、「減税日本」「日本一愛知の会」など、新たな装いで古い自民党政治をすすめる勢力の大量立候補が予定されています。
日本共産党は、引き続き東北地方太平洋沖地震の救援活動に全力をあげるとともに、河村市長の暴走に歯止めをかけ、名古屋市議選で掲げた公約実現の先頭に立ち、名古屋市議選でのたたかいの多面的教訓を学び、生かし、県議選での空白克服、いっせい地方選後半戦での前進をかちとるために全力をつくします。
                                      以上