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環境壊す開発やめよ 愛知県知事に住民団体

 

 愛知県内の約50の公害・環境団体でつくる「健康と環境を守れ! 愛知の住民いっせい行動」実行委員会(野呂汎実行委員長)は8月17日、神田真秋県知事と懇談し、環境破壊の開発はやめるべきだとトヨタのテストコースや設楽ダムなどの事業と計画の見直しを求めました。
 同実行委員会は1977年以来、毎年県知事と部局に要望書を提出、回答を基に話し合いを続けており、今年で34回になります。
 今年の話し合い項目は、▽豊田・岡崎地区研究開発施設用地造成事業(トヨタのテストコース)の中止を含めた検討▽設楽ダムの事業中止▽NOx・PM法の排出基準未達成車の走行規制▽港湾区域の環境把握と改善▽審議会での公募委員の拡大―の5点です。
 神田知事は、トヨタテストコースについて「トヨタは愛知の基幹産業。あらゆる面で経済や地域産業を支えている。今後も地域経済を支えるため、愛知にあり続けることが重要だと考えている」との認識を示し、「事業そのものはサポートしたい。ただし里山の保護もしなければ。どう折り合いをつけるか、知恵をしぼりたい」とのべました。
 設楽ダムについては「県の考えはあくまで推進。ただ国が個別ダムのありようを議論しようと言っているので、われわれはわれわれの意見を言っていく」との立場を表明しました。
 一方、基準以上の排ガスを出す車の走行規制については「同じ趣旨の要綱をつくり、13日に施行した。その効果に期待している」と、対策を講じたことを明らかにしました。
 同実行委員会事務局の村上誠治さんは「開発ありきという姿勢は変わっていませんね。ただ、走行規制の要綱をつくったというのは半歩前進といえるかもしれません。県内の環境問題を直接知事に伝える機会として、このとりくみはとても重要です」と話しました。
 知事との懇談後、県の各部局との話し合いが行われました。 (2010年8月19日)