核兵器持ち込みに関する日米間の密約問題で6月以降、3度にわたり外交防衛委員会で外相をただしてきました。動かぬ証拠と証言を突き付けても「密約は存在しない。だから調査もしない」と繰り返す中曽根外相。真相解明へ元外務次官の証人喚問を求めました。
この密約は60年の安保改定時に結ばれ、核兵器を積んだ艦船や航空機が日本に立ち寄る場合は事前協議の対象としないというもの。国是である「非核三原則」を踏みにじる内容です。
3回目の質問では、2000年の党首討論で不破哲三元委員長が明らかにした、アメリカが公文書館で公開した密約文書を再び外相に突き付け「4人の元外務次官がこの密約の存在を認め、うち1人は実名を公表している。調査し提出せよ」と迫りましたが、外相は、密約を否定した過去の答弁を持ち出し、ひたすら否定するばかり。
しかし、この質問の前日に発行された雑誌での、外相の父親である中曽根康弘元総理と不破さんとの対談で、元総理は核兵器の持ち込みを認め、「(非核三原則の)実態と国会答弁に乖離(かいり)がある」とのべています。過去の国会答弁を持ち出しても、密約否定の論拠にならないことは明らかです。
「核兵器廃絶への新たな世界的な動きがある時に、日本政府が核兵器廃絶で世界にものをいえるように、密約を公表し、破棄せよ」-核兵器廃絶を求めるすべての被爆者の国民の願いを込めて外相に強く求めました。