「共産党の話をもっと聞かせてくれ」。愛知県南知多町の日間賀島を訪れた日本共産党のせこゆき子衆院東海比例予定候補に、島民から声がかかります。自民党が強いといわれた島で、日本共産党が待ち望まれていました。
日間賀島は知多半島の南端、師崎港の沖合2.4?先に浮かぶ周囲6?、人口2000人あまりの島です。タコやフグなど海産物に富み、観光と漁業が主力産業です。
日本共産党は、数年前に党の漁業調整委員が不備の事故で亡くなり、最近は目立った活動ができていませんでした。
18日、党のパンフレットを世帯数の3分の1にあたる400世帯に事前配布し、せこ候補と木村清美町議らがハンドマイク宣伝と訪問対話を繰りひろげました。観光客もいっぱいで島内7ヵ所の街頭宣伝では、民宿の窓から「がんばってください」の応援も。
休憩をしていた6人の漁師からは、もっと話をきかせてほしいと呼びとめられ、即席の懇談会になりました。せこ候補は、衆院議員のとき、離島医療や輸送手段について質問したことをあげ、「自民党や民主党のように大企業から献金を受け取ると、結局、大企業本位の政治を行うようになる。日本共産党は企業からも政党助成金ももらわないから、国民のための政治ができます」と話します。
1人の漁師が「分かった。おれらの生活のためにも共産党にがんばってもらわないとな」と言い、「比例は共産党な」と支持を約束。ほかの漁師もうなずきます。
民宿経営の夫婦を訪ねると「民主党は政権をとることしか考えてなくて駄目だ。ぜひ共産党に議席をとってもらい、私らのような小さな店も生き残れるようにしてほしい」と激励されました。
せこ候補はこの日の夜、漁師の青年グループとの懇談会に参加しました。
フグ漁の4人が会場にきました。青年とはいっても50代、60代。2人が自民党員だといいます。
懇談では、政府の燃油高騰対策について、「政府が自分の息のかかった団体にバラまいただけ。おれら小さな者たちにはさっぱり届かん」と話します。
週に数回しか漁にでることができなくなり、自分たちだけでなく漁師すべてが大きな打撃を受けているとも。
「今は年収が200万~300円くらい。15年くらい前は500万~800万円はあったのに。とても息子に漁師を継がせられん。本土で就職させた」と一人が嘆きます。別の漁師は、「町へ出ていった娘もかわいそう。派遣の仕事しかなくワーキングプアだ」と切なそうに言います。
せこ候補が、外国では農業や漁業に対して価格保障や所得補償が行われていると語ると、「日本でもできるのかね?ちゃんとした保障がでるなら若い人も戻ってこられる」と期待の声があがりました。
せこ候補は「国民本位の政治に変えればできます。財源はあるんですから。軍事費や大企業にまけている税金、無駄な公共事業など半分もまわせば、漁業も林業も農業も救えます」
漁師も「自民党はまだ国民をだませると思っている。変えようとしなきゃいかん」
せこ候補が「漁民の集会にくる自民党代表に『あんたたちが漁業をだめにしてきたんだ』とはっきり言えるようにしなければ」と応じます。
漁師から共産党に注文もでました。「共産党といえば北朝鮮やソ連といった悪いイメージを持ち続けている人が島には多い。もっと盛んに語ってほしい」
せこ候補は、漁業組合や観光協会も巻き込んで大きな観光シンポジウムを開きたいと話します。
「おれは自民党員だし、漁協内も多くが党員だけど、参加してもいいんだろうか」との声が。すかさず、せこ候補は「もちろんです。さまざまな方に参加していただきたい」と、今後の協力を頼みました。懇談会が終わったのは夜の11時すぎ。驚きの多い1日でした。