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【07.01.07】新春座談会 政治改革へ全力 憲法改悪・大増税にストップを 

1月7日「愛知民報」

 司会 明けましておめでとうございます。

 昨年は、小泉「構造改革」路線の継承をかかげた安倍新内閣が誕生しました。安倍内閣は、「成長なくして発展はない」と大企業には減税、庶民には大増税を押し付けようとしています。そして「5年以内」と期限を切って改憲を政治日程にのぼらせた危険性をもった内閣です。

 このような中で日本共産党は、国民のみなさんと力を合わせ、格差社会をただし、憲法9条を守れと運動を取り組んできました。

 本日は、いっせい地方選挙、参議院選挙をたたかう議員・予定候補者の方にご出席いただき、昨年のたたかいや今年の抱負や決意を語っていただきたいと思います。(司会・編集部)

出席者

【井上さとし】1958年生。48歳
 参院議員(1期)・国対委員長、党中央委員・書記局員

【八田ひろ子】1946年生。60歳
 前参院議員(1期)、党中央委員、党県副委員長

【林のぶとし】1947年生。59歳
 前愛知県会議員(1期)、党県常任委員・自治体部長

【わしの恵子】1948年生。58歳
 名古屋市会議員(4期)・党市議団副団長、党県委員

政治を動かす

 井上 安倍政権になって大きな特徴は憲法改悪を政権の課題にすると公言していることです。もう一つは、小泉内閣のときには「改革なくして成長なし」だったスローガンが、安倍内閣になってから「成長なくして発展なし」に変わったことです。安倍さんというのは露骨な大企業支援を行うことに特徴があると思います。

正面から立ち向かう

 この2つの大きな問題に正面からたちむかっていったのが昨年の国会でした。

 政権発足後、最初の予算委員会のテーマになったのが北朝鮮の問題で、私が参議院で急きょ質問に立ち「平和的・外交的な解決を」と、日本共産党の立場を総理にぶつけました。国際的な道理にそったものなので総理も認めざるをえませんでした。

 自民や民主が提案した本会議決議案には当初、そういう文言がありませんでしたが、私たちの主張で盛り込まれました。

 その後の国際的な大きな流れを見ると、日本共産党の奮闘がなければ、日本外交は世界から孤立しかねなかったと思います。それは核問題の解決にも困難をもたらし、唯一の被爆国としての外交上の大義も失うことになったことでしょう。

 日本共産党は本当に大きな役割を果たしたと思います。これからも正面から論戦を挑んでいきたいと思います。

調査し実態明らかに

 自公政権は「大企業を応援すればそのおこぼれが国民に回ってくる」と言ってきました。そういう中で私たちは小泉改革の狙いと国民の怒りを明らかにしてきました。

 日本共産党は暮らしを守る上でも大きな役割を果たしました。

 障害者自立支援法の問題です。政府は、「きめ細かい減免措置をとった」「不安の声は制度の無理解によるもの」と強弁してきました。

 そこで私は、施行直後の六月の決算委員会で、党の緊急実態調査の結果を示して見直しを迫りました。党の調査は与党議員にも反響を呼び、障害者団体の皆さんの大きな運動とも結びつき、政府は補正予算で負担軽減措置をとることを発表しました。

 「応益負担」施行後わずか半年での改善措置は異例のことです。国会でも取り上げ、政治を動かすことができてきたと思います。そこに日本共産党の役割があると思います。

今こそ出番のとき

 八田 今年こそいよいよ正念場、出番という気持ちで新しい年を迎えました。今年はまさに、憲法を守れるかどうか、命とくらしを守れるかどうか、そういう政治を大きく変える絶好のチャンスだと私は思っています。

憲法9条守れ

 愛知選挙区には6人の参議院議員がいます。その中で誰一人として「憲法9条を絶対に変えない」と発言する人はいないのです。それでは県民の声を国政に届けることはできません。

 昨年、私は東海中学・高校や東邦高校の生徒会が開いた政党討論会に参加しました。参加した自民党、公明党、民主党のどの政党の代表も、「憲法9条を変えるのはあたりまえ、今はそういう時代なのだ」と生徒たちに言うわけです。

 しかし生徒たちはしっかり勉強していて、自分たちは憲法9条を守りたいのだという思いをいっぱいに真摯に発言しています。

 東海中学の生徒が「憲法を守れというのは理想論だというけれど、現実を理想に近づけるのが政治ではないのですか」と発言しました。すると参加した人たちから、いっせいに拍手が起こってその場の雰囲気がいっぺんに「そうだ、憲法9条を守らなくては」と変わっていったのです。するとどうも旗色が悪いなというふうに自民党などの国会議員がいいます。

 若い人たちが学び、知れば、今の日本の憲法9条が本当に素晴らしい、それを変えるなんてとんでもない、自分たちの未来をどうしてくれるんだという気持ちが伝わっていく、私はそこに本当に希望があるなあと思いました。

共産党の値打ちが光る年に

 もう一つは若者を中心にした雇用の問題で格差と貧困の広がりがある、それを是正できるのは、大企業から献金をもらっていない日本共産党しかないし、大企業のもうけ優先で弱いものイジメの政治をストップさせることができるのは、国会でも、県議会でも、市町村議会でも日本共産党しかないということを大きく打って出て示していく年にしていきたい。まず2月の県知事選挙ですが県民の願いがどこにあるかわかるような結果をつくっていきたいと思います。

県政改革へ全力

  明けましておめでとうございます。

 前回の県議選で、日本共産党の議席がゼロになり、愛知県議会は野党不在の文字通りのオール与党体制になりました。オール与党県政の害悪が噴き出しています。県民の暮らしの願いが県政に届きにくくなり、財界奉仕と政府追随が強まっています。

 県議100人全員が、高齢者に雪ダルマ式の負担増を押しつける県民税増税に賛成しました。議会で誰も批判の声をあげない。私は「こういうときに日本共産党の県会議員がいてくれたら」という声をしばしば聞いていまして、今年はどうしても議席回復を果たさなければならないと決意しています。

 1月18日から県知事選挙が始まります。“自民と民主の対決”が演出されていますが、どちらも県政運営の基本路線は同じです。福祉より開発です。リゾート開発第3セクターに巨額の経営支援はするが、障害者の福祉負担軽減はやらない。両党の“対決”とは、オール与党体制の枠内での勢力争いというのが実態です。私は、革新県政の会のあべ精六さんと力を合わせて、県政の流れを変えたいと思っています。

市民の声届けて

 わしの 昨年、日本共産党市議団が取り組んできた市政アンケートは4600通返ってきました。住民税ばかりか国保料や介護保険料が大幅に上がって今後どうやって暮らしていけばいいのかと、切々と高齢者の方々の訴え。若い子育て世代の方々からも保育料が3段階も上がった、子育て支援といってもまったく逆ではないかといっぱい書かれていました。

 市議団は、松原武久市長に、独自の軽減策を行うように求めてきましたが、市長は国の言う通り大増税を実施しました。松原市政は小泉構造改革をそっくりそのまま、名古屋市に当てはめて、トップダウンを強めて、市民や職員の声を聞かない市政です。

 保育料や生涯学習センターの使用料の値上げ、敬老パスの有料化など市民負担を増やしてきました。その一方で徳山ダムや高速道路など大型の公共事業がどんどん進められてさらには都市再生と称してトヨタなどの超高層ビルにどんどんお金を注ぎ込んできました。そして、今度はポスト万博などといって本丸御殿の復元などにお金を使おうとしています。

 このような市民犠牲の市政にオール与党はすべて賛成し、悪政の推進役になっています。

 私たち日本共産党は議会の中でみなさんの声を届けてきました。小学校2年生まで30人学級を実現させ、小学校3年生まで子どもの入院費を無料化させることができて喜んでいます。

 さらにみなさんの声をとりあげて、子どもの医療費無料化・30人学級は中学校卒業までに拡充させるためにがんばりたいと思います。

がんばれる議席を

 井上 昨年の国会を通じて改めて日本共産党国会議員団をもっと増やさなくてはと実感しました。

 教育基本法では、野党間で政策的スタンスが相当異なる中、政府案を許さない一点で連携するというなかなか難しい課題でしたが、最後まで粘り強く努力を重ねました。しかし、臨時国会で教基法改悪案が本会議で採決される日に、違いが現れました。前日の四野党の書記局長、幹事長会談で参院でも安倍首相に対する問責決議案を提出することを合意していました。ところが参院の野党国対委員長会談を開くと、民主党は総理問責決議の提案に応じませんでした。

 「会期が延長されたので問責決議を出しても廃案にはできない」ということでした。国民新党からも「それを国民は良識と見るか、日和見とみるか」と厳しい批判の声が上がりました。

 とことん国民の声に依拠して、その声を国会に届けて頑張りぬく確かな野党としての日本共産党の議席をもっと増やさなくては悪政に歯止めをかけられないとつくづく思いました。

 同時に悔しかったのは、2ケタの議席がないため、教育基本法採決の際に、本会議での反対討論に立つことができなかったことです。一番最後の段階で、国民多数の声を本会議の討論に反映できないことは本当に残念でした。この悔しさは忘れられません。

憲法・くらし・税金

 八田 私は今みなさんに三つのことを訴えています。

 憲法とくらしと税金の問題です。憲法9条を守って子どもと平和がしっかりと守られる、そんな未来を作るには日本共産党しかないんだと訴えています。

 くらしの問題では、お年寄りや障害を持った人など弱い人たちを苦しめる政治、これに対する怒りと社会的反撃、社会保障を守れという広い運動をつくっていく、同時に人間らしい雇用のルール、若い人たちが明るい顔で希望をもって働けるあたりまえのルールを作る、過労死のない社会を実現していきたいです。

 税金の問題は、トヨタのような大もうけしている大企業に税金で応援をしてさらに減税。庶民には大増税というやり方を許さない。無駄遣いを改め、お金のあるところから税金を負担してもらう。このことを強調しています。

議席ある時、ない時

  日本共産党の役割について私は、県議会で日本共産党の議員がいる時といない時の違いを訴えています。

 第一は、日本共産党議員がいるときはチェック機能が働きました。いなくなったら悪政へのチェックが効かなくなりました。昨年2月の定例議会でオール与党は教育基本法改定推進の意見書を政府に出すことを決めました。県議会の文教委員会で、陳情者が教育基本法改悪の問題点を訴えても、議員の側から議論がおきません。一般紙の記者が「論なき県議会傍聴記」という批判記事を書いています。

 日本共産党県議団がいたとき、愛知万博問題では、海上(かいしょ)の森を破壊する新住宅市街地開発事業や名古屋瀬戸道路建設を中止させ、万博会場計画を大幅変更に追い込みました。このように大きな力を発揮しました。

 今年3月に発表された市民オンブズマンの調査結果によると、愛知県の情報公開度は、全国43位に落ちました。年間6億円の税金を使っている県議会の政務調査費は領収書がまったく公表されていない。日本共産党県会議員団は領収書を公開していました。今は、どの会派も出さない。共産党県議団がいたときはガラス張り、いなくなったらクラヤミ。日本共産党の議席回復こそ、チェック機能回復の近道です。

 第二は、請願の問題です。共産党の議席空白後、県議会への請願件数はわずか20件です。日本共産党が紹介議員を引き受けていた時は4年間に247件ありました。日本共産党の役割は非常に大きいと思います。

 第三は、日本共産党が出れば憲法9条を守る力が確実に大きくなります。平和団体が自衛隊小牧基地の海外派兵反対の意見書を政府にあげてほしいという陳情をしたとき、議長は「そういう声を出す議員を出してください」と返事したそうです。昨年の国会で、愛知の民主党代表は海外派兵を自衛隊の本来任務にする防衛省法案に賛成しましたが、県会も9条堅持の議員がいないわけで、やっぱり日本共産党の議員がどうしても必要です。私はこの3つのことを訴えています。

新しい結びつきに

 わしの 西区は古い地域と新しい地域の両方あります。古い地域は高齢化が進んでいます。一方で通勤にも便利ということで働く若い人も増えてきています。

 子育てアンケートを取り組みました。「保育園に入れない」、「学童保育が近くにないだろうか」という子育て要求が切実になっています。

 子育て支援は待ったなしです。これまで結びつきの弱かった若い世代に声をかけて新たなつながりを持って日本共産党の政策を伝えて勝利につなげていきたいと思っています。

日本共産党の前進を

 井上 参院選は“自民か民主か”のたたかいではありません。日本共産党の躍進・勝利で、改憲を掲げ、格差社会を拡大する自民党政治の大本からの転換が問われるたたかいです。

 地方選挙の予定候補者のみなさん、八田ひろ子さんとともに新年から全力疾走でがんばります。

 わしの 私は名古屋市議選で5期目を目ざしてたたいます。これまでやったことのない活動にも挑戦して、なんとしても勝利する決意です。そして引き続く参議院選挙で八田さんを国会へ押し上げたいと思います。

  今年の干支(えと)はイノシシ。私の年です。知事選、いっせい地方選、参院選の勝利めざし前へ前へとすすみたい。暮らしを守るあたたかい県政をつくりたい。庶民大増税に反対し、福祉、医療、介護、教育を充実すること、なかでも介護保険改悪や障害者自立支援法による高齢者、障害者の負担増を解消することは急務です。

 正規雇用の拡大、人間らしい労働条件で若者の自立を応援します。県議会の政務調査費の領収書公開など情報公開をすすめ、議会のムダづかいにメスをいれたいと思っています。元旦から全力をあげています。

 八田 今年度予算案に誰もが怒っています。露骨に大もうけの大企業応援、環境破壊の公共事業やアメリカのための軍事費支出を決め、庶民には、大増税と負担増。格差と貧困を広げ、日本経済の発展の道を閉ざすものです。今年の選挙で勝ちぬいてまともな日本へ、そういう年にしたいと思っています。