ニュース

【06.02.05】DV(ドメスティック・バイオレンス)被害の支援強化を 日本共産党愛知県委員会女性部副部長 柳沢けさみ

2月5日「愛知民報」

 DV(ドメスティク・バイオレンス=夫やパートナーなど親しい関係者からの暴力)問題の解決に取り組む日本共産党の柳沢けさみさんの活動レポートを紹介します。

                   ◇

 愛知県は昨年12月、「配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画」を発表しました。これは2004年12月に施行された改正DV防止法(DV被害者の自立支援が都道府県の責務であることを明記)にもとづき策成したものです。

 基本計画には、愛知県女性相談センターの充実強化、職員体制の見直し、県の女性相談員の採用・公募の検討、市町村のDV相談窓口の明確化と「配偶者暴力相談支援センター」の設置促進などがもりこまれています。

 愛知県のDV相談件数は1999年度205件が2004年度1080件に、一時保護は1999年度86件が2004年度191件に大幅に増加しています。

 愛知県が基本計画の準備に入る前に、日本共産党県委員会は04年11月、「愛知県の基本計画に盛り込む内容」として、相談窓口の充実、民間シェルターなどへの財政支援、女性相談員の待遇改善と地位向上、一時保護施設の充実、自立支援など14項目の要望を県知事に提出しました。
 その際、県当局は、「要望については十分盛り込むことが出来るよう努力したい」と話していました。

 要望の趣旨が基本計画に盛り込まれているかをみてみると、各自治体の相談窓口の明確化が、この計画に盛り込まれています。

 しかし、被害は夜間に多いことから、さらに、24時間受け付ける駆け込み的窓口、相談員の充実、財政的保障が求められます。

 基本計画はDV被害者支援を行う民間シェルターなどに対する「財政支援を検討」するとしています。県が本格的に財政支援に踏み込めば、自治体だけでなく、被害者支援に取り組む人たちを励まします。検討だけに終わらせない運動が求められています。

 基本計画は相談員の研修の充実、適正配置を強調していますが、責任を持つ専門職としての女性相談員の待遇改善、地位向上の計画はありません。被害者を最初に救う糸口は相談員にかかっていると言っても過言ではありません。県の問題解決への認識の低さを表しているのではないでしょうか。引き続き待遇改善、地位向上を求めていきます。

 愛知県女性相談センターの果たす役割が重要になっています。現場の声を届け財政的にも人的にも十分な予算措置が必要です。

 基本計画では一時保護施設の充実について「検討していきます」としています。一時保護は、暴力を受け精神的にも肉体的にも憔悴しきっている入所者を立ち直らせ安心して援助が受けられる環境が大切です。高齢者、障害者、子どもを同伴しているケースもあり、それぞれに配慮した施設が必要です。一時保護の必要性は今後も高まることが予想されます。実態に見合う計画を求めていきましょう。

 自立支援のための「計画」では、(1)単身DV被害者が県営住宅に入居できるよう目的外使用の実施(2)アパート等への入居のため保証人の債務を保証する補助の実施(3)DV被害者へのカウンセリングの検討が盛り込まれています。

 基本計画は、全体として「連携」「協議」「検討」の羅列が目立ちます。市町村の、配偶者暴力支援相談センターの設置など「基本計画」が実態にそい、DV被害者根絶に実効あるものになるよう取り組むことが求められています。