ニュース

人手もマスクも不足 愛知県医労連 医療・介護労働110番

電話相談に応じる医療関係者ら相談員=9日、名古屋市熱田区

 「人手もマスクも足りない」「休業補償してほしい」―。愛知県医療介護福祉労働組合連合会(県医労連)が9日、新型コロナウイルスの相談に無料で応じる「医療・介護労働110番」をおこない、医療や介護現場の深刻な実態が明らかになりました。

 「コロナで大変な医療介護現場で働くみなさん、ひとりで悩まないで」と呼びかけ、名古屋市熱田区の組合事務所に3台の電話を設置。弁護士、医療関係者や労働組合役員ら20人が応対し、35件の相談がありました。

 老健施設で働く介護士は「子どもなど家族の対応で休む職員が増え人手が足りない」、グループホームの介護士も「職員も入所者ともマスクが足りず困っている」といいます。民間病院の看護師は「感染対策で平常時より人手が必要。仕事量が増え、勤務時間も長くなった」、民間病院の職員も「通院患者や入院患者の家族の対応で忙しく、2週間も休みなし。毎日12時間近く勤務」。公立病院の看護師も「医療用のマスクや手袋、防護具が足りない」といい、人手不足や医療資機材不足の相談が多くありました。

 賃金・手当に関する相談も多く、「テレワークだから通勤手当を返せと言われた」(民間病院・事務職員)、「微熱があり上司に休めと言われたが休業補償がない」(グループホーム・非正規介護福祉士)、「37度の発熱で出勤停止。出勤停止中は無給」(有料老人ホーム・介護職)と深刻。

 「入所者の発熱が続いているがPCR検査をしてもらえない」(特別養護老人ホーム・看護師)、「感染防止のため家族との面会禁止。対話がなくなり認知症の進行が心配」(グループホームの介護士)など利用者の健康を心配する声も聞かれました。

 愛知県医労連の西尾美沙子書記長は「これまでも医師・看護師不足でしたが、新型コロナにより一層大変になっています。マスクや防護服など医療資機材も不足しています。医療崩壊を起こさないよう、国や自治体は必要な財源と人員の確保、医療資機材の安定供給を早急にやってほしい。相談者の要望を集約して、近く国や自治体、関係機関に要請したい」と話します。

(5月12日 しんぶん赤旗)