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設楽ダム建設予定地視察 武田議員が住民と懇談

伊奈さん(右端)の案内のもと、残土置き場を見る武田議員。奥には大量の木材=1日、愛知県設楽町

 日本共産党の武田良介参院議員は1日、愛知県設楽(したら)町を訪れ、周辺工事がすすめられる設楽ダムを視察し、住民と懇談しました。

 設楽ダムは、三河湾に流れる豊川水系下流の「治水、利水、流水量の安定供給」を目的に、国土交通省が1973年に計画。ダム建設費を含む関連事業費は総額約3000億円にものぼる巨大公共事業で、総貯水容量9800万立方㍍は県内最大です。民主党政権時に「見直し」で凍結しましたが、自公政権になり着工を決定。ダム本体の工事は始まっていません。

 武田議員は、設楽町在住の伊奈紘さん、地質調査グループの市野和夫さんの案内で、ダム本体予定地周辺を視察しました。田中邦利町議が同行しました。

 ダム本体の残土を置くために、山を更地にしている現場では、大量の木材やむき出しの地層などが見られました。

 伊奈さんは、周辺の地層に断層が多くあることを紹介し、「大昔から沈下と隆起を繰り返し、貝の化石も出てくる。山を削ったところでは、岩どころか砂利もなく、土や泥の層が続いているため、地盤は非常にもろい。こんなところにダムを作るべきではない」と強調。市野さんは、「豊川水系の用水事業や人口減など水需要の低下で国交省の過大な需要予測は明らかだ。大規模は地滑りや活断層の疑いのある断層がダム予定地の直下にあることを繰り返し指摘しているが、国交省は取り上げようとしない。国会で国交省に調査を求めてほしい」と語りました。

 武田議員は「昨年から参院国土交通委員になった。問題点を把握し、委員会でしっかり追及していきたい」と答えました。

 懇談で、設楽ダムの建設中止を求める会の奥宮芳子事務局長は、愛知県に対し建設費負担分の支出差し止めを求めて住民訴訟を起こしていると述べ、「ダムが本当に必要かどうか、県は調査するべきだ」と語りました。

(3月6日 しんぶん赤旗)