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世界から見た日本の人権 名古屋講演会 報道の独立性、危機

 「世界から見た日本の人権はどうなっているのか」。英エセックス大学人権センターフェローの藤田早苗氏が23日夜、名古屋市中区で講演し、100人が参加しました。講演会実行委が主催。

 藤田氏は第2次世界大戦前まで人権は国内問題とされていたが、ホロコーストなど深刻な人権侵害から、戦後は国際関心事になったと述べ、「当然、日本の人権問題も国際関心事」と指摘。日本も多くの人権に関する国際条約を批准している以上、国内で実際に条約が守られているか、定期的な監査を受ける必要があると述べ、デビッド・ケイ国連特別報告者らが日本にたびたび勧告していることを紹介しました。

 政府のメディアへの圧力を上げ、「日本のメディアの独立性は重大な危機だ」と指摘。ジャーナリストの伊藤詩織さんが受けた性暴力について「海外では、性暴力をふるった山口敬之氏の逮捕状が執行されなかったのは、安倍首相と近しいゆえ、国家権力が働いたのではないかと報じられているが、日本では報じられない」と述べました。

 参加した名古屋大学工学部4年の男子学生(22)は「自分の専門分野だけでなく、人権などを知り、自分のなかに幅広いものの見方をつくりたい」と話しました。

(12月27日 しんぶん赤旗)