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尊厳守る観点で考えよう 中国人強制連行被害者追悼

強制連行された中国人犠牲者の追悼式典=14日、愛知県東海市

 アジア・太平洋戦争の末期、愛知県東海・大府両市の境にあった大府飛行場(三菱重工名古屋航空機製作所知多飛行場)の拡張工事で強制連行・強制労働で亡くなった中国人を追悼する式典が14日、東海市の玄猷寺(げんにゅうじ)で営まれました。大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会の主催。今年で11回目。

 中国駐名古屋総領事館の冉文明(ぜん・ぶんめい)副領事、立憲民主党の近藤昭一衆院議員、日本共産党の島津幸広前衆院議員、社民党の平山良平県連副代表ら60人が参列しました。日本共産党の本村伸子衆院議員からメッセージが寄せられました。

 拡張工事は旧日本陸軍の直轄事業で地崎組(現・岩田地崎建設、本社札幌市)が請け負いました。中国人480人が1944年11月から7カ月間、過酷な労働を強いられ、5人が死亡、傷病者は125人を出しました。

 支援する会の石川勇吉代表委員は主催者あいさつで「中国人強制連行、日韓関係の悪化、『不自由展』など様々な問題の解決は人間の尊厳を守る観点で考えねばならない」と話しました。

 来賓あいさつで冉副領事は「戦争は人々に苦痛を与える。歴史の真実に真摯(しんし)に向き合うことが、中日友好、平和へつながる」。島津氏は「安倍首相は侵略戦争や植民地支配を反省するどころか憲法9条を変えようとしている。野党と市民の共同を広げ改憲阻止に全力をあげる」と語りました。

 式典では中国二胡奏者の陸敏敏さんが追悼の二胡(にこ)演奏をおこないました。

(9月17日 しんぶん赤旗)