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愛知の空襲語り継ぐ 豊橋でシンポ 戦争反対の声広げて

平和を願い、空襲体験を語る人たち=24日、愛知県豊橋市

 愛知県豊橋市で24日、「豊橋空襲を語りつぐ会」が豊橋空襲73年企画として「県内3市(岡崎、一宮、豊橋)の空襲シンポジウム」を開き、市民ら40人が参加しました。

 1945年の6、7月の3市の空襲には共通点があります。軍事施設や軍需工場を狙ったのでなく、B29爆撃機からの焼夷弾投下による一般市民への無差別爆撃でした。

 豊橋空襲を語りつぐ会の安間慎運営委員長は「安倍首相は『日米安保条約』が戦後の平和を保ってきたと言うが違う。私たちが戦争の悲惨さを訴えてきたからこそ平和が実現した。安倍政権の改憲の動きが強まるなか、各地の運動を交流し、『戦争反対対!平和を!』の声を広げよう」と述べました。

 岡崎空襲を記録する会の香村克己さん(90)は「岡崎師範学校(現・愛知教育大学)在学時の空襲体験を報告し、「戦後、教師になり『二度と戦争をしてならない』の思いで戦争体験を生徒たちに語ってきた」。一宮空襲と戦争を伝える会の斎藤真澄さんら7人は国民学校初等科(現在の小学校)生徒時に空襲を受け、「本当に怖かった」「近所の友人が黒こげの死体になっていた」と語り、文集「一宮空襲と戦争の記録」を発行したと報告しました。

 参加者から「岡崎や一宮市の追悼会は行政が参加し行っているが、豊橋市は行政が関わらず会が主催。平和行政に関わる市の対応が問われる」、「戦争体験者が高齢化している。体験談をDVD化して学校などで活用を」、「若者に戦争の悲惨さを伝えるため8月に豊橋市内の戦跡巡りを計画している」の発言がありました。

(6月26日 しんぶん赤旗)