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児童書読める文庫が開館

 
 名古屋市千種区で、児童書や絵本が無料で自由に読めて、地域の人が憩える場として「サロンひまわり・すぎやま文庫」が開館しました。NPO法人ひまわり(準備会)が運営します。

 場所は、千種3丁目にあった旧紳士服店。改装された会場は、作りつけの本棚にずらりと児童書が並びます。ピアノも置かれ、奥にはゆったりとくつろげるスペースもできています。
 児童書は、紳士服店を経営していた杉山茂・こまゑ夫妻の長男・敏夫さんが集めていたものです。大阪で高校教師をしていた敏夫さんは、ラグビー部の合宿などに使おうと長野県上田市に別荘をつくり、仲間の子どもが来てもいいようにと児童書も多く置いていました。しかし、別荘が使われる前に、敏夫さんは悪性リンパ腫にかかり、13年前、54歳で亡くなりました。残された児童書を活用できないか、と敏夫さんの妻の保代さん(73)が中心になって文庫開設の準備を進めてきました。

 14日のオープンイベントに、大阪から駆けつけた保代さんは「敏夫の願いがかなったよう」と喜びました。
 棚の一部には3つの障害者共同作業所の人たちがつくったポストカードやクッキーなども並べられ、販売されました。文庫開設にあたり、3年前まで近くにあった、障害者の親が集う「サロンひまわり」が?復活・同居?することになりました。
 イベントにはゆかりの人や近所の人が顔を見せ、「集まれる場所ができてよかった」と交流していました。
 サロン開設の準備にたずさわってきた渋谷けさをさんの孫、みちるさんのジャズ演奏やコーラスなども披露されました。

 サロンは当面、月1回、土曜日の午後2時から4時開館します。次回は6月18日です。
(5月21日 しんぶん赤旗)