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守山市民病院廃止やめて 名古屋市長が条例案提出の構え

 
 
 河村たかし市長は守山市民病院(守山区)を来年3月末に廃止し民間へ譲渡する条例案を提出することを明らかにしました。地域住民や患者、開業医などから「区内唯一の総合病院の廃止、民間譲渡は許さない」の声があがっています。

 同病院は旧守山市の守山市民病院として1954年に設立された総合病院です。1963年の名古屋市への編入合併の際、旧守山市民の「市立病院として存続を」の強い要望を受け、名古屋は守山市民病院として継続しました。
 名古屋市は2003年に市立病院整備基本計画を策定し、守山市民病院をは東市民病院(千種区)のサテライト病院とし、200床あった病床を101床に半減し、分娩(ぶんべん)や外科手術もできないようにしました。

地震発生時、区外の病院無理

 守山区内には総合病院は民間を含め同病院しかありません。人口は約17万人同区で増加が見込まれています。庄内川と矢田川に囲まれている地域のため、災害時の医療活動拠点として必要です。

 地域の住民たちは、守山市民病院の存続・充実を求める」請願署名を2ヵ月間に取り組み、1万426人分集め、昨年の11月の名古屋市議会に提出しました。市議会財政福祉委員会で保留扱いになっています。
ところが名古屋市は昨年12月の市議会財政福祉委員会で、医師不足、赤字経営を理由に「市立病院としては廃止する。民間に譲渡する」と表明しました。

同市病院局が1月12日から3回おこなった同病院の廃止・民営化の説明会では区民から反対の意見が沸き起こりました。
 東市民病院に通っている女性は「昨年9月の台風15号の時は交通渋滞で3時間かけて行った。東海地震が発生したら、区外の病院に行くのは無理」と訴えています。
町内会役員の男性は「区内18学区中、説明会の案内は病院周辺の6学区だけ。役員をしている自分のところにも案内がこない。区民が守り育てた病院問題なのに一部区民だけに案内するのは問題。区民に説明したとのアリバイづくりとしか思えない」と怒りの声をあげました。

  「地域医療を考え守山市民病院を守る会」の橋本克己会長は「区民が正式に市から廃止方針を聞いたのは先月の説明会が最初。その説明会も3回しか開かず、時間も2時間余で発言が十分に保障されなかった。区民によく知らせないまま、説明会から1ヶ月もたたないで、廃止案を議会に出すというやり方は守山区民、名古屋市民をないがしろにする暴挙です」と批判します。

  同会は9日、名古屋市役所前で日本共産党の榑松順子前市議も参加し、「市民病院をなくさないで」と署名・宣伝行動をおこないました。同会は18日午前10時半から同区の名鉄小幡駅前で「守山市民病の廃止に反対する区民集会」を開きます。同会は多くの区民の参加を呼びかけています。(2月16日)