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「無縁社会」なくすには 日本福祉大学九条の会が講演会

 

日本福祉大九条の会は11月19日、愛知県美浜町の同大学キャンパスで福祉・人権講演会を開き、学生や教職員ら200人が参加しました。
 同会は2005年4月に結成し今年で7年目。毎年、新入生歓迎期の春に平和や憲法問題の講演会、秋に大学祭企画として福祉や社会問題の講演会をおこなってきました。
 今回のテーマは「無縁社会」。「参加者が憲法9条と平和問題、憲法25条と福祉・人権問題をつなげて、『人間の尊厳』について考える場にしたい」と企画しました。

 NHKディレクターの野林亮さんが「無縁社会を考える~無縁死3万2千人の衝撃」と題して講演。野林さんは、昨年から今年2月にかけ放送されたNHKスペシャル「消えた高齢者“無縁社会”の闇」や「無縁社会あらたなつながりを求めて」の取材・制作を通じて見えてくる日本の貧困、孤独死、家庭崩壊の状況を報告。「無縁社会」の放送後に発生した東日本大震災の取材から「被災者の助け合いなど地域の繋がりの重要さを実感した」と話しました。

 講演後、会場から学生の意見表明があり、4年生の男子学生は「まだ就職が決まっていない。このまま就職が出来ずフリーターなどになったら、自分も『一人ぼっち』になるのか不安になる」と発言、3年生男子学生は「母子家庭など経済的理由で塾へ通えない子どものために無料塾を開いている」と話しました。

 参加した学生からは「貧困とか格差とかは個人の問題ではない。解決のため国の施策など社会全体で取り組む必要がある」(2年女子)、「老人問題のサークルに入っているので、孤独死をなくすため独居高齢者の訪問活動に取り組みたい」(3年女子)などの意見が寄せられました。
 講演に先立ち、参加者は同大学サークル夢人党(むじんとう)の踊りや付属高校太鼓部の勇壮な演奏を楽しみました。(11月22日)