政策

若者に希望ある社会を―すやま初美の若者政策

日本共産党愛知県委員会
同 若者雇用対策部長 すやま初美

 

ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールをつくります

若者の2人に1人が、400万円未満の低収入で生活しています。また、休みが週に1回のみ。祝日も休みだが、有給はないなど、働き方も非常に深刻です。

私は広告会社のデザイナーとして10年間働いてきました。毎日の長時間労働で、同僚や後輩が体や心を壊して職場を去って行きました。私は、このような苦しんできた若者の1人として、若者を使い捨てにするブラック企業一掃へ全力をあげます。

  • ブラック企業を一掃し、人間らしく働く雇用のルールをつくります
  • 非正規雇用拡大ストップ、正社員が当たり前の社会に
  • 最低賃金をいますぐ、どこでも時給1000円にして、愛知は1500円に

 

高すぎる学費(授業料)を引き下げ、奨学金制度を抜本的に改革します

「奨学金の返済が大変」「どちらかと言えば大変」と答えた若者が、6割にのぼりました。自分が出産などで仕事を辞めた時に、返済が負担にならないか心配。自分も夫も奨学金の返済をしており、住宅ローンを借りる時に負担など、不安の声があがっています。

高すぎる学費に学ぶことを諦めてしまう。社会に出る入り口から奨学金のローンを抱え、自己破産するケースさえあります。若者に希望がない社会を、私は何としても変えます。

  • 学業に支障をきたすブラックバイトを一掃します
  • 国立も、私学も、10年間で学費(授業料)を半減します
  • 月額3万円(年間36万円)の給費奨学金を70万人に支給します

 

【資料】愛知県の若者の働き方、奨学金アンケート結果のまとめ

愛知県内の10代~30代の男女約1000人を対象に、働き方と奨学金に関するアンケート調査を行いました。若い世代の非常に切実な実態が明らかとなりました。

1.若い世代の働く実態

(1)2人に1人が400万円未満の低収入で生活

アンケート調査では、若者が非常に低い年収の中で生活をしていることがわかりました。約1000人のうち、半数以上(2人に1人)が400万円未満の低収入で生活しています。

 

(2)雇用ルールを無視した労働環境の実態

職場であてはまるものの割合をたずねた結果、「休日出勤がある」が30.6%と最も高く、次いで「残業は断れない」が23.0%、「有給休暇がとれない・ない」が22.9%、「生理休暇を取れていない」が20.3%、「残業代が支払われない」が15.5%、「入社時の話と実際の仕事が違う」が12.7%、「厚生年金がない」が9.4%、「パワハラ・セクハラがある」が8.7%、「健康保険がない」が7.3%、「雇用保険がない」が6.9%、「あてはまるものはない」が30.5%という結果でした。

雇用ルールを無視した労働環境に若者が置かれている実態が明らかとなりました。

 

(3)若者の働き方に関する声

アンケートで寄せられた、若者の働き方に関する声を紹介します。

賃金に関する問題

給料・昇給に関する声

  • 給料が安い。昇給しない。社員への道はない。パートなのに社員がやるようなことをやらされることがある。【女性、34歳、パート・アルバイト】
  • 昇給が少ないので、今はよいが、将来が若干不安である。業務内容に対して給料が少ない気がする。【男性、32歳、会社員(技術系)】
  • 給料が据え置きで上がらない。なのに仕事量は多い。【女性、32歳、会社員(その他)】

残業代に関する声

  • 残業や休日出勤のお金がでないこと。【女性、26歳、会社員(その他)】
  • 残業代が出ない。就業前の時間に掃除をさせられる。有給が取れない。【女性、38歳、会社員(その他)】
  • 基本給が安い。残業は事前申請で許可をもらったもののみの対象なので、突発的に発生したものはサービス残業。【男性、38歳、会社員(技術系)】
  • 所属長の許可がないと残業の申請ができず、よほど長時間の残業にならないと許可は下りないため、実際は毎日のように残業しているのに残業手当が付かない。始業前に仕事の準備のために早めに出勤しなければならないが、その分は超過勤務として取り扱われない。【女性、33歳、会社員(その他)】
  • 定時後、1時間残業しないと残業代がでないが、20分、30分程度の仕事を言いつけられる。【女性、31歳、会社員(事務系)】
  • 残業が多く休日出勤も多い。50時間以上の時間外勤務手当が出ない。【男性、24歳、会社員(技術系)】

ボーナスに関する声

  • 有給を取得するとボーナス査定に影響する。【男性、30歳、会社員(技術系)】

労働時間に関する問題

残業時間に関する声

  • 裁量制で、残業が無限にある。【男性、37歳、会社員(その他)】
  • 残業を断れず、定時で帰ると陰口を言われる。【女性、22歳、パート・アルバイト】
  • お客さんに合わせて残業があり、終わる時間がマチマチ。【女性、36歳、パート・アルバイト】
  • 仕事が定時で終われずに終電ギリギリに帰ることがここ1年くらい続いている。【男性、32歳、会社員(技術系)】
  • 勤務時間が終わってから報告や片付けがあり、1時間ほど勤務予定時間をオーバーすること。【女性、30歳、パート・アルバイト】

公休・有給休暇に関する声

  • 休みが週に1回のみ。祝日も休みだが、有給はないと代表も言う。そのうえ月額手取り13万円。正社員が2名しかいないので、パートさんに休憩を先にとってもらうようにすると正社員は休憩がとれず、結局規定時間の44時間以上の勤務となる。風邪をひいても、休めず。電話などで休みはなくなる。【女性、23歳、会社員(その他)】
  • 有給は1年に2回くらい、上司が勝手に決めた日しか取れない。あとは時間給で勝手に消化されるか、休日の呼び出し対応の代休として消化される。昇給がほとんどない。給与体系が明瞭ではない。就職活動時に聞いていた給与と違う。【女性、29歳、公務員】
  • アルバイトの立場ですが、有給を使わせてもらえない。休みたいときに休めない。シフト通りの時間に帰れない。【女性、26歳、パート・アルバイト】
  • 冠婚葬祭での休みまで代替え出勤させられる。有給という概念がないと上司が堂々と言う。【男性、33歳、会社員(その他)】
  • 社員が有給を取れていないから、パートさんも取るのは控えてと言われたこと。社員は有給が取れない代わりに病欠補てんしてもらっているのに、それをお願いしたらバイトやパートさんはしてあげられないと言われたこと。【女性、28歳、会社員(事務系)】
  • 営業職で、「今月の自分の仕事が終われば」有給を取ってもいい、というような考え方が上司の間である。土日休みのはずなのに、土日に仕事するのが当たり前のような風潮がある。【女性、32歳、会社員(その他)】
  • お盆休みや正月休み、忌引きも全て有給休暇を取って休まないといけない。【女性、37歳、会社員(事務系)】

労働環境に関する問題

勤務条件に関する声

  • テレアポということで採用であったのに、実際は事務職だったこと。【女性、24歳、パート・アルバイト】
  • 契約の時と、実際に働く時間が違う。肉体労働がしんどい。【女性、28歳、パート・アルバイト】
  • 役職がないのに役職と同じ立場にされる。【女性、25歳、会社員(事務系)】

職場環境に関する声

  • キッチンは男、ホールは女と分かれているのが男女差別みたいで嫌だ。【女性、25歳、パート・アルバイト】
  • トイレが和式しかなく、妊娠中なので辛い。【女性、32歳、会社員(事務系)】
  • トイレが男女兼用。健康診断が35歳以上しか受けられない。【女性、25歳、会社員(事務系)】
  • 飲み会が多くてなかなか断ることもできず出費がかさむ。多い週は3回あることも。【男性、33歳、会社員(技術系)】
  • 上司が不在がちで、ほかの社員の負担が大きい。【女性、24歳、会社員(技術系)】
  • 不満を言えば契約打ち切りになり実質ブラックでもなにも言えない。【37歳、男性、会社員(技術系)】

人手不足に関する声

  • 人が少ない。一人ひとりの責任が大きく、有給はとれても後ろめたい。【男性、30歳、会社員(事務系)】
  • 人が足りないために、最初に出た稼働表が変更になることがある。【女性、37歳、パート・アルバイト】
  • 新聞配達をしていて、人数がギリギリなので体調不良などの突発的な休みが取りにくい。【女性、29歳、パート・アルバイト】
  • 有給が取れない。有給を取りたいときに、誰かに仕事を引きづけるようなシステムがない。【女性、24歳、会社員(事務系)】
  • 働く曜日や時間は基本的に固定されているが、時折なんの断りもなく変更されているときがあり予定が組めない。休みたい場合はたとえ事前であっても代理の人を探さなくてはならないが、私が働いている時間帯はほかに勤務している人がいないため誰にも頼めず、今まで一度も休みをもらったことがない。【女性、26歳、パート・アルバイト】

福利厚生に関する声

  • 休憩時間が1時間となっているが、実際は45分しか取れない。【女性、39歳、パート・アルバイト】
  • 妊娠したらやめてくれと言われて育児休暇を取ることができない。【女性、29歳、会社員(技術系)】
  • 歯科医院で働いているのですが、少人数なので妊娠したら産休取るだけでも職場に負担になるので辞めざるをえないのが辛いです。もっと子どもが産める環境が欲しいです。【女性、30歳、会社員(その他)】

その他

  • OJTの構築がされておらず、順序立てに沿った効率の良い人材育成があまりできていない。また、仕組みやルールを作っても、継続力が続き難い。【男性、38歳、会社員(技術系)】
  • 仕事内容について根本的なことを聞く時間がなく、業務の全体が見えず、理解がしっかりできないまま仕事を行わざるを得ないこと。【男性、26歳、会社員(技術系)】
  • 会社(デパート)にアルバイトの人材として登録し、会社からのオファーを待つ形なので、仕事があるときはがっつりあるし、ないときはほとんどない。掛け持ちもしようと思ったが、勤務日数が月ごとにばらつきがあるため、そうもいかない。また、正社員でなくアルバイトなので、制服も貸してもらえず、自分でブラウスとスカートを用意しなぇればならない・アルバイトはロッカーがないので、指定の洋服のまま毎日通勤しなければならず、おしゃれもできないし、手荷物もそのあたりに置かなければならず、貴重品関係などでなかなか不便。【女性、28歳、パート・アルバイト】
  • 従業員はほとんどパートもしくはアルバイト。社員は主任と店長のみ。少人数で膨大な仕事をしなければならないが、少しでもミスがあると店長から「レベルが低い」「教える人間の教え方が悪い」などの指摘を受けるため、従業員に対する店長への不満が多い。それなのに、大量の仕事を自分たちにまわしてくるので、時間内に片づけるのが困難。唯一の社員である主任は、毎日遅くまで仕事をしている。年中無休のお店+αの仕事だが、土日祝日の給料アップはなく、時給も上がらない。特別な仕事をこなせる人間が少ないため、人が減ると仕事が回らなくなる。【女性、23歳、パート・アルバイト】

2.若い世代における奨学金返済の実態

(1)半数以上が奨学金の返済が「大変」

月々の奨学金返済についてどれくらい負担に感じているかを尋ねたところ、「かなり大変」が24.1%、「どちらかと言えば大変」が42.0%、「それほど負担に感じない」が27.4%、「まったく負担に感じない」が6.5%でした。

月々の奨学金返済について、大変と感じている割合は6割以上にのぼることがわかりました。

(2)若者の奨学金返済に関する声

アンケートで寄せられた、若者の働き方に関する声を紹介します。

就労形態や収入にともなう不安・要望

  • 契約社員で契約がきれた場合に、貯蓄がないので返済はできなくなる。返済期間が延びてでも、十分な猶予期間をフレキシブルに対応できる環境になればいいと思う。低額よりも収入に対する割合で返還できるようになれば、返済負担も少なくでき、返済しないような不届き者に対する言い訳をさせないで済むと思う。【男性、37歳、会社員(技術系)】
  • 健康不安があるので一時的に無職の期間があったのですが、その時は本当に支払いが厳しかった。奨学金の支払いが滞ったら返済金額が加算されるような仕組みは撤廃してほしい。また、返済義務そのものに疑問がある。返済するなら奨学金の意味がないのでは?もともと、大学の学費を払う経済的余裕のない家庭の学生が利用するものであるということを、もっと理解してほしい。【女性、34歳、パート・アルバイト】
  • 今は母が変わりに払ってくれていて、私はその分を少しずつ母に返している状態だが、もし母が死んだら、すべて自分が払わなければならなくなる。そうなったとき、今の収入では国民年金・健康保険などを差っ引くとかなり危ない状態になると思う。私たちの世代はリーマンショックに引っかかり、就職が思うようにいかない時代でもあった。たとえ就職できたとしても半ばブラックのようなところもあり、長く続けられない子も多くいた。「ちゃんと奨学金を返したい」そういった思いがあっても、思うように仕事に就けない。ハロワで「若手のためのトライアル枠」があるように、奨学金を返済中の子たちが返すだけの収入を得られるように、「奨学金返済奨励枠」のような、少しでも就業しやすい制度を作ってほしい。それか、国民年金のように低所得者は軽減するなどの制度を作ってほしい。【男性、33歳、会社員(その他)】
  • 過労で転職を考えているが、景気が悪い現在、どこもブラック企業ばかりで不安。給料は当然下がるので返済の負担が増える。合理化で一人あたりの仕事量は増えるが給料は上がらない。無理なノルマを課して給料を安く抑える。サービス残業をとことんさせ、体を壊して使い物にならないならポイされる(使い捨て)。過労で転職したくても転職先がもっと過酷な職場だったらどうしようと思ってもなかなか転職に踏み切れない。しかしこのままでは過労で詰むかも。(原文ママ)ギリギリの生活。精神が壊れて働けなくなったら誰が返済するのか?働きづめの日本にはうんざりだ。【男性、33歳、会社員(その他)】
  • 就職難で仕事が決まらず、返済が一時できないことがあった。支援機構から委託を受けた別の会社から電話があって、事情を話しても「機構に連絡を~」と言われ、何のための連絡なのかわからなかった(単なる督促電話?)。連絡をよこすなら、そこからつながる救済措置をして欲しかった。今はきちんと返している、正社員でないので少し負担になっている。全額返済なら、ローンと一緒。【女性、28歳、パート・アルバイト】

ライフイベントにともなう不安・要望

  • 自分が出産などで仕事を辞めた時に返済が負担にならないか不安。自分の夫も奨学金を返済しているのだが、住宅ローンを借りるときに奨学金が負担となり、借入金額が減るのではと不安。【女性、28歳、会社員(事務系)】
  • 結婚をしたので今では旦那に負担してもらっているが、母子家庭で生活保護、専門中退の私にとって最初のうちは支払いがとても大変だった。支払い免除もあったが学校をやめてしまってから支払いが大変で滞納まではいかなかったが1ヶ月遅れでの支払いが続いた。私の場合、年2回の支払いで、1回25200円。結構な額。私立に行って学んでしまったので文句は言えないが、生活保護者にもっと金銭的援助が欲しい。(支払額考慮など)【女性、28歳、パート・アルバイト】

その他

  • 奨学金制度を利用することにより、まだ働きに出ていない学生が借金を背負ってしまいます。借りたものは必ず返すのは当たり前ですが、卒業後、返せない状況になってしまう方もみえるというのは残念なことだと思います。貸す財源があるのであれば、安価で質の高い教育ができる仕組みを作ることに使ったほうがいいと思います。【男性、36歳、会社員(技術系)】
  • 奨学金を借りる前に、借りた人のこれだけの人が返済に困っているとか、実例を出して紹介してくれるとよかった。借りるときはあまり考えてなかったので、なかったらどんなに楽かと思います。【女性、31歳、パート・アルバイト】