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【空港】2003.01.27-02.03の動き

●中部国際空港会社の平野幸久社長は1月28日、名古屋商工会議所の常議員会で新空港の現況と課題について説明し、「2003年度の名古屋空港の国際線の利用実績が、外国エアラインの中部空港の発着便数に影響してくる。地元企業は、社員の海外出張などで、積極的に名古屋空港を利用してほしい」と要請した。
  海外路線のダイヤは、前年度の空港の利用実績を参考に、就航会社や便数などが決まるシステム。2005年の愛知万博開幕前の開港を目指す中部空港には、前年の2004年冬ダイヤが適用されるため、2003年度の利用実績を増やしておくことが重要だ。 平野社長は「出張でロンドンへ行く場合、成田空港から出発するのではなく、名古屋からルフトハンザ航空でドイツへ行き、そこからロンドン便に乗り換えてほしい」などと、具体例を挙げて協力を求めた。

●関西国際空港会社の御巫(みかなぎ)清泰社長は1月29日の定例記者会見で、3月末までの期間限定措置として実施している国際線の着陸料引き下げや割引制度について、来年度も引き続き実施すると発表した。御巫社長は「制度の継続を前提に増便を計画している航空会社もあるため」と説明した。
  延長されるのは、国際線の着陸料を飛行機1トンあたり2300円から2090円に引き下げる制度(01年4月から実施)と、国際・国内線ともに新規路線を開設・増便して前年の着陸実績を上回った分について着陸料を5割引きする制度(昨年3月から実施)。一方、羽田・福岡・札幌線に限って到着時間帯によって8割引きする制度は取りやめる。

●関西国際空港会社は1月30日、関西空港の02年の運営概況(速報値)を発表した。国際線と国内線を合わせて、航空機の発着回数は11万1196回、旅客数は1737万3731人で、ともに01年(確定値)より10%減少した。国土交通省などによると、国内線しか就航していない大阪(伊丹)空港の02年の旅客数は約1762万人で、94年の関空開港以来初めて1年間の旅客数で関空が伊丹を下回った。また、10%の減少は開港後で最も悪い数字で、貨物量も7%減の77万6292トンだった。

●造成地の販売不振による企業局会計の破綻を避けるため、大阪府が03年度に設ける新しい特別会計の収支見通しが明らかになった。今後30年間で、関西空港対岸の「りんくうタウン」などの産業用地計112ヘクタールをすべて売却したとしても、総額499億円の赤字が発生する。府は毎年度の赤字を、一般会計からの補助金で穴埋めする方針。
  新会計の名称は「まちづくり促進事業会計」。起債による資金調達で、同タウンのほか「二色の浜」(貝塚市)、「阪南スカイタウン」(阪南市)の未分譲地を買い上げる。これを民間企業などに賃貸するほか、分譲も進める。
  府の試算では、2033年度までの同会計の収入総額は起債や分譲収入など8085億円で、支出総額は起債の償還や未分譲地の購入費など8584億円。企業進出を促すための賃貸料減免や今後の起債利率の上昇で、約500億円の財源不足が生じる。
  初年度の03年度は未分譲地27ヘクタールを購入する。

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