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【空港】2002.11.26-12.02の動き

●中部国際空港の周辺地域にかかわる整備事業について、常滑市など5市5町でつくる同空港知多地区連絡協議会(会長=石橋誠晃・常滑市長)は25日、交通基盤の整備や充実を求め、神田真秋知事や地元県議らに陳情した。
 同協議会では、「中部空港の開幕まで2年余りとなる中、欠くことのできない重要事業が山積している」とし、知多横断道路や第2東名、国道155号線など交通基盤整備の積極的な推進を要望した。

●県地方港湾審議会は26日、県から諮問された常滑港港湾計画について審議し、原案通り答申した。中部国際空港の開港で、空港島、前島を含めた常滑港の重要度が増すことから、県内の地方港湾では初めて港湾計画を策定した。計画は、開港に伴って常滑港を中部圏の玄関口と位置づけたうえで、物流機能の強化、空港の支援・補完空間や小型船だまりの確保を基本方針としている。
具体的には2010年ごろまでに、空港地区に三重からの海上アクセス高速船用の桟橋、前島地区にフェリー用の岸壁、常滑地区にプレジャーボート用の小型桟橋などを整備する。このほかに、3地区で計800メートルほどの防波堤も整備していく。プレジャーボート用の桟橋の収容能力は94隻で、県は「完成すれば、常滑地区に不法係留されているものもすべて収容できる」としている。港湾計画は特定重要港湾の名古屋港、重要港湾の衣浦港、三河港で策定されている。

●県企業庁が造成している中部国際空港(常滑沖)の空港島と対岸部(前島)で27日、進出を検討している企業への初めての現地説明会があった。県は2005年の開港に合わせ、空港島と対岸部計230ヘクタールを「中部臨空都市」として整備する計画を進めており、今秋までに計画の概要をまとめたほか、開発用地の第一期分譲予定価格を公表。11月18日には神田真秋知事を本部長とする推進本部を設け、本格的な企業誘致を開始した。
この日の説明会には比較的、早い時期から進出の意向を示していた航空貨物運送協会(JAFA)・名古屋国際地方部会の構成企業など約40社が参加。各企業の担当者が約1時間をかけ、空港島の総合物流ゾーン(準工業地域)などを視察した。企業庁の職員らが分譲までのスケジュールや、バブル期に建設された関西空港と比べ、大幅に低く抑えた分譲予定価格について説明。不動産取得税の軽減などさまざまな優遇措置や、総合保税地域への指定が見込まれることなど進出のメリットをアピールした。開発用地の第1期分譲地30・8ヘクタールの予定価格は1平方メートル当たり15万円前後で、来春から分譲を開始する。既に進出を決めている名港海運の鬼頭好人中部国際空港業務推進室長は「開港で中部地域の航空物流はますます伸びていく。微力だが、地元の企業として中部圏の発展にも貢献したい」と話していた。

●2005年に開港する中部国際空港の開港前倒しについて、愛知県の神田真秋知事は27日、どの程度の前倒しが可能なのか、地元としての意向を今年度末までにまとめる考えを示した。同日開かれた自民党2005年日本国際博覧会推進議員連盟と同党中部国際空港建設推進議員協議会の合同総会で明らかにした。
総会では、両議連会長の橋本竜太郎元首相が「万博・空港ともに順調に準備が進んでいるが、空港は、余裕を持って開港することが大事」と、万博開幕(3月25日)に接近している同月十九日の開港予定日の前倒しを改めて注文した。これを受けて神田知事は「今年度末までには地域としてどの程度前倒しできるのかを話せるよう、現在地元で調整している」と述べた。中部国際空港会社の平野幸久社長も「万博の来場者をトラブルなく、万全の体制で迎えられるよう最大の努力をする」と語った。

●常滑沖に開港する中部国際空港の対岸部の「前島」に、自治体が主体となった国内初のカジノ施設の建設を提唱している民間グループが28日、カジノや観光アミューズメント施設のイメージ図を公表するとともに、カジノ導入による中部圏への経済波及効果をアピールする研究結果をまとめた。 このグループは、旧第一勧業銀行の企業グループで構成する「三金会」傘下の「東海圏開発プロジェクト分科会」。地域活性化にかかわっていこうと1994年から前島の利用について研究を始め、97年にカジノ構想を提案している。
今回作成したイメージ図は、前島の地域開発用地の中央ゾーンを中心とした約30ヘクタールを敷地とし、カジノをはじめホテル、劇場、ショッピングセンターなどの複合施設(延べ30万平方メートル)の建設を提案した。このうち、カジノ施設はスロットマシンを1700台、ルーレットなどテーブルゲーム100台を備え、年間290万人の客と168億円の売り上げを予測した。
この売り上げ予測を基に、UFJ総合研究所にも試算協力を求め、宿泊や飲食、物販、観光入場費などを含めると施設内で毎年360億円が消費され、中部圏への経済波及効果は年間410億円となり、雇用創出は4150人にのぼるという。また、建設投資額は1190億円で、それによる中部圏への一時的な経済波及効果は1900億円が見込めるとした。同会は今後、愛知県や県企業庁に実現を促す。
カジノ施設は、東京都など全国二十か所を超える地域で導入の動きがあり、前島への導入は常滑商工会議所などでも検討されている。一方で、カジノ行為の法制化や地域住民の合意形成の必要など実現には課題も多い。

●2005年の中部国際空港開港後の名古屋空港の活用を考える「名古屋空港活用促進協議会」(会長・鵜飼一郎春日井市長)が29日発足した。
設立総会は名古屋空港内で開かれ、「コミューター機を中心とする都市型空港として整備されて活用が図られ、幅広い関係者の理解と協力を求めるために一致団結して行動する」などを決議した。協議会発起人は、名古屋空港周辺の春日井、小牧市と豊山町の2市1町で、愛知、岐阜県内の52の市町村、40の議会と、36の商工会議所・商工会の長が賛同している。
会長の鵜飼一郎・春日井市長らは、「予想以上の団体の協力を得て発足できた。(中部空港と)2つの空港の活用で中部圏の発展をしていきたい」と抱負を述べた。また、記者会見した中野直輝小牧市長は「コミューター航空は名古屋空港でやる大前提。開港まで日時がなく、国、県に着陸料などを決めてもらうよう強く働きかけていきたい」などと話した。

●関西国際空港会社の完全民営化に備えた2003年度から30年間、3000億円規模の財政支援策について、財源をめぐる議論が大詰めを迎えている。29日の交通政策審議会(国土交通相の諮問機関)空港整備部会は、国が負担する大阪国際(伊丹)空港の環境対策費を、着陸料の値上げで航空会社に転嫁する国交省案を支持した。浮いた分を関空支援に回す狙いだが、航空業界の反発もあり、値上げ幅などの調整は国交省にゆだねられた。

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