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【空港】2002.10.08-10.14の動き

●中部経済連合会の太田宏次会長は7日の定例記者会見で、中部国際空港の開港時期について、「当初の2005年3月19日の予定を1か月ほど早め、2月17日ごろをメドに検討していると聞いている。私たち経済界としては、開港が早いほうが愛知万博にスムーズに移行できるので、歓迎したい」と話した。さらに、開港時期の前倒しにあたっては、「空港の本体工事はもちろん、アクセスや関係する事業者の準備スケジュールをクリアしていく必要がある。経済界としても協力していきたい」と前向きな姿勢を見せた。

●中部国際空港開港後の名古屋空港の将来像について調査研究する「名古屋空港活用調査会」の初会合が7日、春日井市のホテルプラザ勝川で開かれ、小型機を中心とするGA(ゼネラル・アビエーション)空港のあり方、防災拠点化などへの具体的提言、地域振興方策の具体化、の3点を柱に調査活動を進める方針を確認した。
調査会メンバーは、名空港周辺2市1町(春日井、小牧市と豊山町)の助役、企画・総務部幹部ら。会合では、2回目以降、地域の経済界(商工会)やGA空港基本計画を策定中の県航空対策課にもオブザーバー参加を要請することなども決めた。一方、会長には西尾静夫・春日井市助役が選ばれた。調査協力機関として航空関係に詳しい「名古屋空港の将来を研究する会」主催者の石田財団や調査実績のある三菱総合研究所が選任された。

●中部国際空港の漁業補償をめぐる県企業庁の不正支出疑惑で、県議会未来連合(井桁亮代表)は8日、事実関係を明らかにするよう神田真秋知事に求める申し入れ書を提出した。

●中部国際空港工事の漁業補償に絡み、地元2漁協の補償額が計3億円不正に上乗せされたとする疑惑で、愛知県常滑市議会の臨時協議会が9日開かれ、石橋誠晃市長は「県へ肩代わりを要請したという認識はないが、そう受け取られかねない面はあった」と述べた。
石橋市長は臨時協議会で「92年5月ごろ、『裏補償』の存在を知った」としたうえで、市は支出できないため、その後、県側に解決を依頼したことを認めた。これについて、市長は「この問題を解決しないと(補償交渉は)前に進まないと考え、良い面も悪い面も県に伝えた」としている。

●新東京(成田)、関西、中部の三国際空港の民営化で、国土交通省の交通政策審議会空港整備部会は11日、3回目の関係者ヒアリングを実施した。
新東京国際空港公団の黒野匡彦総裁は「経営の自主性を尊重するため単独民営化してほしい」と、単独民営化を正式に要望。中部国際空港会社も現行の株式会社での経営を強く求めた。これを受け、国交省は3空港を一緒にした上下分離方式による民営化の正式撤回を表明、単独民営化案が事実上決まった。
国交省は成田空港について、2003年通常国会に公団を国が出資する特殊会社にする法案を提出、04年度に発足させ、将来株を国が売却して完全民営化する方針。アジア諸国の基幹空港に対抗するため、国際的に高い水準の着陸料の値下げを目指す。
国が40%出資する中部空港会社は05年の開港後の経営状態をみて完全民営化を目指す。国と自治体が出資する特殊会社の関西空港会社を完全民営化する時期は、1兆円を超す債務を抱えるなど経営難のため、決まっていない。成田の株の売却益を救済に回すなどのテコ入れが必要だ。
関空会社は今回も上下分離方式を主張したが受け入れられなかった。

●国土交通省が11日、成田、関西、中部の3つの国際空港の「上下分離案」を白紙撤回したことで、中部国際空港会社は、現在の株式会社のままで、2005年の開港に向けて工事を進めることになった。
この日は、同省が打ち出していた3つの国際空港の「上下分離案」について、交通政策審議会空港整備部会のヒアリングが行われた。中部国際空港会社は「開港まで2年半を切っているのに、大幅な経営形態の変更について検討を進めなければならないことは、プロジェクト全体に支障となりかねない」と、これまで以上に強い懸念を表明した。また、中部経済連合会と名古屋商工会議所も「経営の自由度、経営責任が不明確になる懸念を払しょくできない」と問題点を指摘した。愛知、岐阜、三重の三県と名古屋市も「中部は建設途上で、経営実績がなく、上下分離方式の是非を判断するのは困難」など否定的な意見を述べた。

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