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愛知・民青 学生支援企画「ほこプロ」優しさの輪ぐんぐん

スタッフから食料などを受け取る学生ら=12月、愛知県美浜町

■ 下宿生「今度は自分が応援側になりたい」

 「バイトがなくなり、米や野菜をもらって助かる」、「これで1週間生活できる。またやってほしい」―。日本民主青年同盟愛知県委員会が日本共産党などの協力もえて実施している「ほこほこ愛知プロジェクト」(ほこプロ)。これまで40回実施し1000人以上の学生が訪れ、支援の輪も広がっています。(愛知県・村上志郎)

 きっかけは、民青が昨年3月から実施した新型コロナに関する学生アンケート調査に「バイトが減り、生活が苦しい」、「買い物する金もなく自炊も限界」の声がたくさん寄せられたことでした。

 「授業が再開したら無料の食料支援をしよう」と話しあい、各大学周辺の地元住民や各大学卒業生の協力をえて6月から実施しました。訪れた学生に生活実態アンケートをよびかけると、「奨学金を借りて生活しているが学費までは厳しい」、「ネット授業になり、ネット回線やプリント代など出費がかさむ」、「求人が減って就活が大変。友人は内定を取り消された」など、悲痛な声が多数寄せられました。

 食料支援を受けた学生が、次にはスタッフとして参加する例も次々生まれています。9月のほこプロに訪れた下宿生活の1年生は「下宿生の多くはアルバイトができなくなり、親の仕送り額も減り困っている。今度は自分が応援する側になりたい」と、案内ビラを大学周辺の下宿などに配布しています。

 アパートに配られた案内チラシを見て参加した西三河地域の1年生は「食費に困っていたので本当にありがたかった」といいます。同盟員から声をかけられ、スタッフとして関わるようになりました。「驚いたのは、困っている学生が思っている以上に多いこと。自分の思いを表に出さないだけなんだ」

 民青に加盟した知多地域の1年生は「生活に困っている友人がたくさん来てくれ、『助かった。ありがとう』の声にやりがいを感じた。つながりを絶やさないため引き続き参加したい」と語ります。

 野菜や米を届ける農家などの支援も広がっています。愛知農民連の土屋元義副会長は「コロナ禍で農家も大変だけど、困っている学生を少しでも支援したいと組合員に呼びかけ、米や野菜を提供してもらいました。引き続き応援していきたい」と話します。

 日本共産党議員も生活相談などにのっています。美浜町の山本辰見町議は「町内に学生アパートが1000軒近くあり、食事も満足にとれない学生の声をよく聞きます。困ったことがあれば、遠慮せずに声をかけてください」。

 民青県委員会は、学生から寄せられた声を集計し、愛知県や名古屋市に届け、家賃補助制度、水道料免除など自治体独自の生活保障を要請。10月には東海地方選出の野党議員に対して、給付型奨学金、学費減免制度拡充など学生への支援を求めました。

 古川大暁(ひろあき)県委員長は「多くの学生が経済的困難だけでなく、学びと交流が制限され、ストレスもたまっている。限定的な給付金だけで、抜本的な対策を取らない政府の責任は重大。政府に抜本的な支援策を求めるとともに、総選挙で政権交代をはたし、青年・学生が求める願いが実現する政治にしたい」と話します。ほこプロは今年も続けます。

(1月7日 しんぶん赤旗)