愛知民報

【18.09.09】県後期高齢者医療広域連合議会 17年度 高額療養費未申請1億円超 日本共産党 岡田議員 周知徹底を要求

 愛知県後期高齢者医療広域連合(連合長・伊藤太春日井市長)の定例議会が8月23日名古屋市内でおこなわれました。同連合は75歳以上を対象とする後期高齢者医療保険を運営しています。

重い保険料

 2017年度の特別会計決算の審議で、日本共産党の岡田ゆき子議員(名古屋市議)が、保険料未納による有効期間が短い短期保険証の発行件数、被保険者に渡っていない未渡し件数、差押え件数について質問しました。
 後期高齢者医療保険の保険料は、年間18万円以上の年金を受け取っている人は原則年金天引きの「特別徴収」ですが、18万円未満の場合、口座振替または納付書による「普通徴収」になります。滞納は年金から天引きできない低所得層で発生していると見られます。
 日本共産党は低年金・低所得の高齢者に負担が重いと保険料の軽減を求めています。 

未渡し174件

 岡田議員の質問に広域連合側は、短期保険証発行件数は今年3月末現在、37市町806件(前年度比7件減)、未渡し件数は27市町174件(前年度比31件増)と答えました。
 保険証未渡しになっている被保険者への対応について広域連合側は、「窓口に来ていただけない方は未渡し状態。各市町村で文書による案内、電話、各戸訪問などで接触を図り、受診希望があれば、健康状態を把握し、医療が必要であるか確認のうえ必要な期間の短期保険証を交付する」と答弁しました。

差押え正当化

 広域連合側は、17年度に実施した差し押えは211件、2475万5114円であることを明らかにしました。岡田議員は、同年度の差し押えの内訳が、預貯金(約873万円)、年金(約782万円)であることを示し、「くらしに関わる問題。深刻な事態は起こしていなかったといえるか」とただしました。広域連合側は、「負担の公平性の観点から適切におこなわれている」と正当化しました。
 決算は日本共産党以外の賛成で認定されました。

減額認定証を

 一般質問で岡田議員は、高額療養費が請求できるにもかかわらず、請求漏れになっている対象者とその総額を問いただしました。
 高額療養費とは、同じ月の中で、同一世帯の医療機関等へ支払った医療費の自己負担額を合計して、自己負担限度額(一般の場合月4万4400円)を超えた部分について支給する制度のこと。
 広域連合側は、「17年度に未申請だった対象者は、延べ1万8842人で金額は1億132万7070円。未申請の理由は、①亡くなった後、相続人がいない、決まっていない等により申請が遅れている②遠隔地に転出したため、手続きに来ることができない③ひとり暮らしで入院中など」と答弁しました。
 岡田議員は、高額療養費の請求漏れの世帯にたいする申請の勧奨、医療機関の窓口に提示すれば、高額療養費の申請をしなくても限度額まで支払えば済む「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付勧奨を要求しました。広域連合側は「はがきで支給申請を勧奨している。200床以上の病院や医師会などで減額認定証を周知するチラシを配布している」と答えました。