愛知民報

【18.02.25】名古屋市2018年度予算案 盛り込まれた市民要望 日本共産党市議団の努力実る

 河村たかし名古屋市長は、開会中の市議会2月定例会に2018年度予算案を提案しました。一般会計は前年度比3・3%増の約1兆2097億円。名古屋城天守閣の木造復元、リニア中央新幹線の開業を前提にした名古屋駅と周辺地域開発など大型事業の推進、大企業・金持ち優遇の市民税5%一律減税による税収減の穴埋めのための福祉・教育の民営化・委託化、〝人口減少社会〟を口実にした公共施設の削減など市民犠牲押し付けが特徴です。一方で、福祉・教育分野では市民の要求運動と12人の日本共産党議員団の論戦が反映し、前進する施策が盛り込まれました。

 【商店街商業機能再生モデル事業】900万円。空き店舗の改装に対する助成。
 【児童虐待対応支援員の配置】24名(5名増員)。千種・東・中・守山・天白の各区に増員。
 【新堀川の悪臭対策】3億円。ヘドロ除去。
 【消防団を中核にした地域防災力の強化】7961万円。地震発生時に消防体制を早期に確立するための消防隊との合同訓練。団員による戸別訪問を通じた防災指導。出場手当の充実。
 【学校司書の配置】32校(16校増)。学校図書館の利用推進。
 【私立幼稚園授業料補助】市民税所得割7万7100円以下の世帯の第1子で年18万7200円(4万8000円増)など。
 【敬老パス・福祉特別乗車券の上飯田連絡線適用】663万円。市出資の第3セクター「上飯田連絡線」が保有する平安通―味鋺間(3・1㌔㍍)のうち名鉄が運行する上飯田―味鋺間(2・3㌔㍍)の運賃を償還する。

 【民間保育所等保育士奨学金返済支援】5856万円。奨学金を利用して資格取得した保育士の就業を支援する。資格取得後1年以内の就業が条件。月額1万円、最高で3年間総額36万円。
 【障害者差別解消に関する条例制定】850万円。
 【客引き行為等対策の推進】5792万円。禁止区域での指導員による過料徴収。
 【ヘルプマーク配布】362万円。
 【セクシャル・マイノリティに関する調査】700万円。1万人を対象にしたアンケート調査や意識啓発。
 【保育所等利用待機児童対策】2月補正予算案。31カ所1402人増。
 【スクールサポートスタッフの配置】2249万円。小学校12校、中学校10校、週当たり20時間配置。

河村市政 大型事業に熱中 市民犠牲押し付け

 名古屋城天守閣の整備予算は約34億9500万円盛り込みました。うち実施設計費8億6000万円、木材の調達・製材費22億1150万円。天守台石垣調査2億8700万円です。名古屋城バリアフリー調査には2000万円計上。河村市長は木造天守閣へのエレベーター設置を否定しています。
 リニア新幹線開業を前提にした名古屋駅周辺開発には3億600万円、笹島交差点からささしまライブ地区を結ぶ巨大地下通路建設に1億9320万円を計上しました。
 久屋広場の再生に4370万円計上しました。都市公園を民間開発のスペースに変質させる「パークPFI」で整備するものです。港区空見ふ頭の大規模展示場は県が同意せず断念。しかし「あり方検討」の経費200万円を計上しました。
 市民税減税で減った121億円の減収の穴埋めに福祉・教育の民間委託などを推進します。小学校給食の調理業務の民間委託化は15校に拡大。市職員の削減によるコストカットが目的ですが、新たに栄養教諭を配置します。市立保育園は19年度2園、20年度3園を民間に移管。生涯学習センターは全館指定管理化されます。
 なごやアクティブ・ライブラリー構想にもとづく図書館の再編に約6151万円計上。小規模小中学校の統廃合につながる学校規模適正化推進計画の策定予算700万円が計上されています。

 

日本共産党名古屋市議団は14日、市政懇談会を開き、田口一登団長が新年度予算案の中心点を報告しました。