愛知民報

【15.11.22】愛知ゆがめるリニア開発 

 リニア中央新幹線計画を中心軸とする大村県政の新地方計画「あいちビジョン2020」は、愛知県と市町村を一極集中型の開発競争に駆り立て、愛知の姿に極端なゆがみをもたらすものです。犠牲になるのは住民です。

需要創出競争

 「ビジョン」は、安倍政権が昨年策定した「国土のグランドデザイン2050」の国土開発計画に沿い、名古屋駅を中心とする「40分交通圏」を形成するとしています。
 自民党は、県内各地から名古屋駅へ「30分以内で移動できる100?級道路」の整備を政策にしています。
 「すべての道はリニアに通じる」式のインフラ開発は、リニアの需要創出のためであり、東京と名古屋駅への一極集中を決定的に強めることになります。
 「ビジョン」は、リニア開通による「首都圏へのストロー現象」に触れています。「ストロー現象」論は人口減少論とともに、自治体の危機感をあおり、需要を無視した開発競争に自治体を駆り立てることになります。

?負の遺産?

 2005年「万博・空港」開発は、県の借金膨張、福祉縮減、環境悪化、新空港の需要低迷、リニモ(東部丘陵線)の公費救済などの“負の遺産”をもたらしました。
 「ビジョン」は、必要性と採算性の欠如、環境破壊、関連開発による自治体負担などの問題点に触れていません。
 リニアを起爆剤とする無謀な開発で、財政と環境の破壊、福祉と地域の切り捨てをゆるしてはなりません。(林信敏)