愛知民報

【15.11.15】小牧市の新図書館計画 ツタヤのためでなく、市民のための公立図書館つくろう 

稲垣みさよ 日本共産党 小牧市議に聞く

 10月4日に小牧市でおこなわれた、新図書館建設計画をめぐる住民投票は「反対」が「賛成」を大きく上回り、市は計画の問題点を検証するとしています。日本共産党の稲垣みさよ市議に聞きました。

 ―小牧市の新図書館計画の問題点は。

 レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携する民間委託の図書館計画です。 
 小牧駅前の「にぎわい創出」を最大の目的として、建設事業費が30億円から50億円前後に膨張しました。

 ―館内にツタヤ書店やコーヒーチェーン店が出店する「ツタヤ図書館」は各地で問題になっています。

 教育施設としての公立図書館のあり方を商業・集客施設に変質させるものです。
 小牧市の計画のモデルとされる佐賀県武雄市図書館では、貴重な郷土史研究資料が除籍され、10年以上も前の実用書がツタヤ系中古本業者から大量購入されるなど問題が噴出。開館当初のブームが去ったら、利用者が激減しています。

 ―指定管理者制度の問題は。

 指定管理者となった事業者は自治体から受け取る委託料の範囲で経費を払わなければなりません。職員の人件費が切り詰められ、非正規・ワーキングプアになります。優秀な人材を確保する上でも直営が必要です。

 ―図書館法や日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」との関係は。

 資料を収集、保存して無料で国民に提供すること、利用者の秘密を守ることが公立図書館の原則です。いま市民のための新図書館をつくろうという市民運動が広がっています。

 ―稲垣さんの市政への思いは。

 私は学習塾で国語を教えていました。生徒から「本を読んで感動したので、図書館司書になりたい」という作文が提出されたことがあります。若者をワーキングプアにしてはならないという思いでした。市や議会を動かすためにがんばります。