愛知民報

【15.11.15】記者座談会 「第3極」の終えん 愛知 政党地図様変わり

 「維新」の分裂など「第3極」の衰退で愛知の政党地図が様変わりしています。本紙記者が話し合いました。

維新の分裂

  維新の党が分裂した。愛知県総支部代表の重徳和彦衆院議員が離党し、無所属になった。
  愛知県議会に2人いる維新県議も「無所属」になると見られているよ。
  分裂して、橋下徹大阪市長は新党「おおさか維新の会」をつくったけれど、愛知の議員がそこに入るのは違和感がある。

2大政党失望

  「維新」のはじまりは2010年4月、当時大阪府知事の橋下氏が、府議会の「自民党・維新の会」を母体に立ち上げた地域政党「大阪維新の会」だ。
  2009年夏に自民から民主への政権交代がおきた。しかし、改革への期待は失望に変わり、「自民も民主もダメ」の世論が広がった。これに乗る形で第3極勢力が台頭した。
  橋下氏は既成政党批判を展開し「霞ヶ関を変える」とアピールした。マスメディアは改革のリーダーのように持ち上げた。

トリプル投票

  橋下が大阪維新を引き連れて愛知に乗り込んだのは2011年2月。愛知県知事選、名古屋市長選、名古屋市議会解散の是非を問う住民投票のとき。橋下氏は、大村秀章知事候補、河村たかし市長候補を「改革派」と持ち上げた。
  大村・河村両氏が圧勝した。つづく、議会解散を受けた名古屋市議選、愛知県議選では河村「減税日本」と大村「日本一愛知の会」が大躍進した。

絶頂から凋落へ

  しかし、第3極は急速に衰退した。橋下氏は独裁手法から「ハシズム」と批判された。民主主義・平和主義破壊の改憲方向は安倍首相と同じだった。
  河村減税の実態は大企業・大金持ち優遇だった。憲法9条敵視・改憲の政治姿勢は自民と変わらない。「減税日本」の議員の不祥事や会派分裂が相次いだ。
  県議会の大村知事与党の「減税日本一愛知」は自民党追随だった。2期目の大村県政は自民中心のオール与党体制になった。県民犠牲・大企業応援の自民型県政だ。
  今年4月の愛知県議選で、大村「日本一愛知の会」と河村「減税日本」は全滅し、県議会の議席を失った。一方、共産党が躍進し、県議団が復活した。
  2013年参院選愛知選挙区で議席をとった「みんなの党」は昨年11月に解党している。維新は昨年の総選挙比例で県内47万票を獲得したが、分裂した。愛知の国政選挙に大きく影響するね。

「自共対決」

  第3極が退潮、消滅し、「自共対決」という政治対決の構図が鮮明になってきたね。
  来年7月の参院選は、安倍政権打倒、戦争法廃止、立憲主義回復の「国民連合政府」実現をよびかける日本共産党のたたかいぶりが注目される。