愛知民報

【14.07.13】国民健康保険の都道府県単位化 国民皆保険を崩す

 安倍自公政権は、社会保障制度「改革」の基本を「自助・自立のための環境整備」と規定した社会保障「改革」プログラム法に基づき、2017年度までに国民健康保険制度(国保)の保険者を市町村から都道府県へ移行、再編することをめざしています。
 多くの市町村は保険料(税)を抑制するために、一般会計から国保会計に財源を繰り入れています。厚生労働省は都道府県への移行にむけ、各市町村に繰り入れをやめるよう通達。その結果、大幅な引き上げにいたった自治体もあります。愛知県内では新城市の平均保険税額が10万4653円(2013年度)まで高騰しています。また、愛知県は今年度、市町村国保への独自補助を廃止しました。
 国保広域化により市町村独自の減免制度も廃止され、加入者にいっそうの負担増を強いることは必至です。
 愛知県社会保障推進協議会が6月28日名古屋市内で開いた「国保改善運動交流集会」で長友薫輝(まさてる)津市立三重短期大学教授は、国保加入者の現状について、低所得の非正規労働者と無職の割合が急増していることを指摘。「高額の国保料が貧困を拡大する原因になっている」と述べました。
 愛知県保険医協会の日下紀生事務局次長は国保広域化について「国民皆保険制度を崩壊させるもの」と強調。公的医療をまもる世論と運動を盛り上げることを呼びかけました。