愛知民報

【13.04.14】無差別・平等の医療を実現 注目される無料低額診療事業

 生活困窮で医療費が払えない人に、医療機関が無料または低額で診療を行う「無料低額診療事業」が注目されています。社会福祉法にもとづくもの。

 名南病院(名古屋市南区。愛知県民主医療機関連合会加盟)は2011年10月から事業を開始。今年3月までに102件の利用がありました。

 無料低額診療は、生活保護基準を超える収入があっても適用されます。窓口一部負担金の全額免除は原則1カ月、1割免除は最大6カ月です。適用は相談員が個別面談して行い、公的制度も活用して生活が安定するまでの一時的措置として行われます。

 同病院の阿部仁美相談員は「高齢者に加え、稼働年齢層の貧困が目立ちます。失業や非正規雇用、借金・ローンが原因で、保険料滞納や無保険が多い。外国人の相談も増えています」と指摘します。

 同病院の利用者らでつくる「名南健康友の会」の土肥カヅ子会長は「無料低額診療は無差別・平等の医療実現のために活用されるべき制度です。病院にかかれずに苦しんでいる人の相談に乗っていきたい」と話しています。