愛知民報

【12.10.21】改憲が総選挙の対決点に 民主主義の力試される 

本秀紀名大教授が指摘?焦点は9条?

 
 憲法問題が次期総選挙の対決点に浮上しています。民主、自民、橋下「日本維新の会」が事実上呼応して憲法改悪の動きを強めているからです。
 野田首相は、日米の集団的自衛権行使に向け憲法解釈の見直しの検討を言明。自民党の安倍新総裁は改憲右翼。日本維新の会も9条を敵視し憲法改悪を志向しています。
 改憲策動の強まりに対し、9条を守る運動が新たな高まりを見せています。
 愛知憲法会議の本(もと)秀紀事務局長(名古屋大学教授)は、9月末の同会例会で講演。改憲動向を詳しく解説し、「民主主義の力が試されている」と、「9条の会」の運動強化を呼びかけました。
 民主、自民、公明、みんなの党などの議員による「超党派改憲議連」が?東日本大震災で現行憲法に非常事態条項がない欠陥が明らかになった。この不備を正す?と主張していることについて、「本当のねらいは、災害を口実に首相に権力を集中し、国民の人権を制約する『有事』体制を強化することだ」と強調しました。
 さらに、衆参両院の憲法審査会が審査を開始し、改憲発議が可能な条件がつくられつつあるなか、両院の3分の2の賛成を過半数に引き下げるなど改憲要件を緩和する動きがでていることに注意を喚起しました。
 改憲論の焦点について本氏は、?戦力不保持、交戦権否認の9条2項を変える??個人?を尊重する憲法の性格を根本的に転換するところにあると指摘。
 橋下『維新の会』やみんなの党が主張する?決められる政治?とは「時の権力者が国民世論を含めて抵抗勢力を排除し、首相公選や道州制の導入など、自分たちが好きなように決められる政治体制ををつくることだ」と批判しました。