愛知民報

【12.07.15】福祉医療あやうし 大村県政 有料化検討

 大村愛知県政は、子どもや障がい者らの医療費無料制度(福祉医療)を有料にする検討をすすめています。

 県は6月1日、全市町村の担当者を集め、有料化=患者負担を導入した場合の将来推計結果を説明しました。医師会にも示しました。

 今後、名古屋市など主要市町の担当課長で構成する「担当課長会議」を設けて制度見直しの論点を整理。今年度中に有料化案をまとめ、14年度には新制度実施をめざしています。
 

1割負担か

 県の将来推計は、医療保険改悪をねらう厚生労働省の資料をつかい、現行制度のままなら2031年度には公費支出が1・7倍に増えるとしています。

 公費支出を抑える方策として、患者の定額負担(1回100円ないし500円)、定率負担(0・5割ないし1割)、所得制限のケースで推計しています。

 所得制限方式は、福祉医療は所得制限以内の受給者が多いため、公費支出の削減効果は乏しいとしています。

 もっとも削減効果が大きいのは1割負担の導入。子ども医療の場合、公費支出は現行の51・1%、ほぼ半減すると試算しています。

無料守る運動急務

 大村県政の制度見直しの観点は結局、財政。現行の医療費無料制度が弱者や低所得者の健康維持と生存権保障に果たしている役割を評価していません。

 大企業には1社100億円の設備投資補助金制度をつくる一方、県民145万人の命綱になっている福祉医療を切り捨てようとしています。

 県・市町村にたいし医療費無料制度の維持・拡充を求める運動が急務となっています。