愛知民報

【12.07.08】「河村革命」とは何か 戦争できる国に 9条改憲めざす

 河村たかし名古屋市長が政治団体「減税日本」を率い、橋下・大阪維新の会と連携し、2大政党批判の受け皿になる形で国政進出をねらっています。

 河村氏の日本改造論の基本は財界や自民党の構想と同じです。日本国憲法の恒久平和主義の柱である9条の変更と、地方自治を破壊する道州制導入です。

 河村・減税日本が東京や仙台で政治塾を開き、東京本部を設置するなど全国展開の動きを強めているいま、どのような日本をつくろうとしているのか、同氏が2008年8月に発表した「河村ビジョン・庶民革命」とその後の動きに見てみます。今回は改憲論。

歴史に逆行

 
 河村氏は、交戦権否認の憲法9条第2項の削除と自衛隊の明記、軍事裁判所の設置を主張しています。軍隊をもち、戦争できる国にするということです。9条を敵視する自民、民主などの右派改憲論と同じです。

 河村氏は、かつて日本帝国主義が中国やアジア諸国にたいしておこなった戦争を侵略戦争と認めません。「従軍慰安婦」の強制性や南京大虐殺の事実そのものを否定し、総理大臣は靖国神社を参拝すべきだとしています。

 河村氏は名古屋市長として初めて愛知県護国神社を参拝しました。自民、民主の右派市議と連携し、南京大虐殺を否定し、虐殺にふれた歴史教科書の見直しを公言しました。

 南京大虐殺否定発言が歴史の事実を抹殺するものと市民から批判され、外交問題に発展すると、争点を虐殺数のちがいにすり替えて批判をまぬがれようとしています。

展望見えず

 「対米一辺倒の外交からの脱却」をいいますが、対米従属の根源である日米安保条約には触れず、9条改憲による軍隊保有と交戦権確立に向かいます。

 日本共産党は、国際問題について軍事対応でなく憲法9条を生かした対話重視の平和外交、日米安保条約を廃棄し日米平和友好条約への前進、中国・北朝鮮をふくむアジアの平和共同体の形成などの「外交ビジョン」をもっています。

 河村氏には、そのような前向きの外交・安全保障政策は見られません。