愛知民報

【12.06.24】東日本大震災仙南被災地現地リポート 復興への課題 助け合いの輪を きずな強める活動に全力(本紙・村瀬和弘)

心のケア急務

 
 東日本大震災から1年を過ぎた今、被災地では?心の復興支援?がとくに重要になっています。

 日本共産党の松田由雄岩沼市議は「仮設住宅の集会所でお茶会を開くと、『話し相手ができる』と好評です。一方でうつ病、自殺に追い込まれる人もいます。孤独感に襲われ、1日に一言も話すことがないという人もおり、心のケアは急務です」と話しています。

 津波被害でコミュニティが崩れた地域では、仮設住宅住民の助け合いの輪をつくる親身な援助が必要です。

 日本共産党の宮城県仙南地区救援ボランティアセンターでは、仮設住宅居住者に支援物資を届けたり、声かけやご用聞きに力を入れています。

 愛知県からは今年の4、5月、20人のボランティアが現地に入り、支援活動に参加しました。

 日本共産党のボランティアは全国から駆けつけており、同党への信頼が高まっています。

仕事を確保

 
 ?仕事をつくる、おこす?支援も必要です。津波被害から復旧を果たした名取市のカーネーション農家、菅井俊悦さんは「温室を直して植え付けができるまでの間、復興組合に勤めて田畑の復旧作業などをしていた」といいます。がれき処理場で働いている農家の人も少なくありません。

 記者は、日本共産党の大沼宗彦名取市議らとともに、同市閖上(ゆりあげ)地区の漁港を訪ねました。小型底引き網漁船による赤貝や小玉貝が特産です。

 県漁業協同組合閖上支所の相澤武美支所長は「地震で岸壁が70??沈下し、船は全部流された。全国からの支援で中古船が手に入り復旧した。感謝したい」と述べました。
 同地区は震災がれきの集積場所になり、港のそばで分別、焼却工場が稼動し、大型トラックがひっきりなしに出入りしていました。

 大沼市議は「津波警報が行き届かず、閖上地区だけで消防署員が3人、消防団員も15人亡くなった。電気や水道、通信インフラの復旧は急務。消防は市単独で維持している。消防広域化なんてとんでもない」と語気を強めました。

 日本共産党仙南地区の高橋光二委員長はボランティアの奮闘に感謝し、こう言いました。「地区内の市町は?平成の大合併?をしていません。自治体と日本共産党議員が果たした役割は大きかったと思います。地域に根ざした分厚い党をつくり、きずなを強める活動に全力を注ぎたい」

ボランティアセンターを立ち上げた かわえ明美さんの談話

 昨年、私が仙南地区に入った時点では、イチゴもカーネーションも1年後に出荷できるまで復旧できるとは思えませんでした。役に立ててうれしい。そして、みなさんのがんばりに頭が下がります。

 今後、復興に向けて、国や自治体がやるべき仕事はたくさんあります。きめ細かな援助が実現するよう国政レベルで繰り返し要求していきます。