愛知民報

【11.06.19】9兆円の中央リニア新幹線 急務は震災復興

 直接の建設費だけで9兆円かかるJR東海のリニア中央新幹線構想について、大震災復興支援を優先すべきとの声が出ています。

 5月25日に開かれた衆院国土交通委員会で、日本共産党の穀田恵二議員は、国土交通省が4月22日から5月5日にかけて実施したパブリックコメントを紹介しました。

 「早期に整備すべき」は16件。「整備に反対、計画を中止又は再検討」は648件にのぼっています。

 その理由は「東日本大震災の影響が収まっておらず、新たな大規模事業を進める状況ではない」「費用、エネルギー、人的資源などは、まず被災地の復興にあてるべき」「原発事故が収束しておらず、今後の電力供給が不透明」など。

 穀田氏は「まっとうで当たり前の意見」とのべ、東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた地方鉄道の復旧復興への支援を優先するよう求めました。

 リニア中央新幹線が地域の浪費型大型開発の引き金になる可能性もあります。大村愛知県政、河村名古屋市政は、リニア中央新幹線建設・開通を起爆剤に、大企業誘致のインフラ整備を一気に推進しようとしています。民主党政権も、リニアで結ばれる東京・名古屋・大阪の3大都市圏の大型開発を日本の“成長エンジン”とする構想を持っています。

【リニア中央新幹線】 JR東海が東京―大阪間に建設を計画している超特急。超伝導磁気浮上式で、最高時速505??。東京―名古屋間を40分で結ぶ。開業は16年後の2027年を予定。国土交通省は5月27日、JR東海にたいしリニア中央新幹線の建設を指示しました。