愛知民報

【11.04.17】寄稿 愛知県議選結果 新・総与党体制に 県民運動は重要 元日本共産党県議 林信敏

 今回の愛知県議選で日本共産党の空白克服がならず、残念無念です。今後、県政に、大震災復興支援、地震防災計画の強化、公的福祉の充実、内需中心の経済再生など、切実な要求の実現を求める県民と日本共産党の共同の運動が重要です。

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 県議選の結果をどう見るか。野党不在の大村「オール与党(総与党)」体制の出現と見ます。

 大村「日本一愛知の会」・河村「減税日本」も、自民、民主、公明各党も、大企業の「国際競争力」強化と道州制導入という基本方向は同じです。

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 「県民税減税」と「中京都」構想という大村知事の看板公約は、不協和音はあっても「オール与党」の障害になりません。

 「県民税減税」の中身はまだ不明です。河村市長はマニフェストに「定率減税(金持ちはゼロ)」と明記しましたが、実施したのは金持ち減税でした。

 大企業・大資産家優遇減税なら自民、民主は本家と先輩です。

 大村「減税」は、県・名古屋一体で県民犠牲の「行革」をゴリ押しするテコになるおそれがあります。

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 大村知事・河村市長の「中京都」構想は道州制を見すえています。いくつかの県を合併し「州」をつくる道州制を求めているのは財界です。自民、民主、公明は賛成です。

 道州制のもと、市(基礎自治体)に福祉を任せ、州は大企業支援の大型開発と産業政策を強力に推進することがねらいです。

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 今回の県議選の結果は、民主・自民「2大政党」の退潮を示しました。自民は56から49に、民主党は35から26に議席を後退させ、公明も7から6に減らしました。

 躍進した減税日本と日本一愛知の会は公党とは言えません。政党の自律性を保障する綱領・組織・財政・政策体系がありません。大村知事と河村市長の私党です。

 知事・市長の看板政策が県民要求と衝突すると右往左往、四分五裂し、結局、右に寄り、財界・官僚依存を深めるでしょう。

 残念ながら議会外ですが、日本共産党の役割は大きいと思います。

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 大村知事が編成する6月補正予算とこれを審議する6月定例県議会にむけ、県民の運動が求められます。