愛知民報

【11.03.06】大村県政ー大型開発・企業誘致に突進

 
 愛知県の大村秀章知事と名古屋の河村たかし市長は28日、4月に「中京独立戦略本部」を設置すると発表しました。両氏が本部長に就任。県・市合体の「中京都構想」の具体化をはかるとしています。
財界県政の継続
 愛知県は2月21日、2011年度一般会計予算案を発表しました。大村知事の政策的な事業は6月補正予算で対応するため、当初予算は「骨格」となっていますが、従来の自民、民主、公明のオール与党県政の基本を引き継いでいます。
 予算案には、設楽ダム建設費11億4千万円、中部国際空港第2滑走路建設に向けた運動支援1753万円、トヨタ自動車のテストコースの用地造成費20億円、大企業の立地補助金8億5千万円が盛り込まれ、大型開発推進・大企業応援の内容となっています。
 一方、全国最低クラス(別表)の医療や福祉関連予算は減額されています。「崩壊の危機」といわれる地域医療の再生事業費は今年度の3億6千万円から1億9千万円と大幅に減額され、雇用対策費用も19億円減の200億円となっています。
 大村知事は2月15日の就任記者会見で、道路、港、空港などのインフラを集中的に整備し、全世界からヒト、モノ、カネを呼び込むと強調しました。大型開発推進宣言です。
 「県・市一体の減税」は、大企業や大資産家が得する内容です。「財政力は全国2位なのに、民生費は全国最低クラス」という愛知県政の「逆立ち」は、大村県政のもとでますますひどくなります。

新オール与党体制
 大村知事が代表の地域政党「日本一愛知の会」は河村「減税日本」と連携、県議会の主導権を握るため、県議選に多数の候補者を擁立しようとしています。民主、自民の県議が「日本一愛知の会」にくら替えしての立候補を表明しています。
 知事選で大村氏と対立した自民党は寺西学・新県連会長が大村知事に和解を申し入れました。寺西氏は日本一愛知の会と候補者調整の意向も示しました。
 知事選で大村氏に惨敗した民主党も大村知事への傾斜を強めています。これまでの「オール与党」は、大村「オール与党」体制に向かいつつあります。

県政に県民の声を届け 暴走阻む共産党

 日本共産党は8年間、県会議席がありませんが、県民と力を合わせ、子ども医療費無料化の拡大など数々の県民要求を実現してきました。
 日本共産党は県会議席の獲得をめざし、「大村県政に立ち向かう日本共産党の県会議員がどうしても必要です」と支持を訴えています

愛知県議の海外視察旅行

07年知事選で対立した自民・公明と民主党は、選挙が終われば、当時の神田知事の提出議案の全てに賛成。海外視察旅行にも「オール与党」で参加しています。(下表)