愛知民報

【11.01.16】2011春闘 デフレ不況脱出 賃上げ・雇用安定を 愛知県労働組合総連合 榑松佐一議長

 
2011年春闘について、愛知県労働組合総連合の榑松佐一議長に聞きました。

“ほら吹き合戦”

 国の政治では「何がどうなっているのかよくわからない」というのが実感ではないでしょうか。政権交代で民主党政権ができて、世の中では政治が良くなると思われていました。事態はまったく逆の方向になっています。沖縄の普天間基地の問題がその象徴です。「民主党の正体が見えた」ということではないでしょうか。

 愛知県政、名古屋市政でも大変な事態になっています。「減税愛知」と言っている知事候補は、公開討論会で「名古屋と愛知で600億円減税すると、1300億円の経済効果がある」と発言。最近では「2000億円」と言っています。どうして600億円減税すると2000億円の経済効果があるのかはよくわかりません。

 県知事選挙は「日本一」「世界一」「世界制覇」「世界市場」といったほら吹き合戦のようになっています。

ますます貧乏に

 実は「世界市場」がキーワードになっています。正月のテレビ番組で解説者は「日本は少子高齢化になっていくから、国内の市場は期待できない。だから海外に売りに出る。これが日本の生きる道」と言っていました。

 「日本人はますます安い給料で働いて、ますます貧乏になって、市場が縮小する。海外の富裕層をターゲットに、品質の良い製品を作って国際競争に打ち勝つ」というのです。

 これではほんの一部の企業は生き残りますが、国民は絶えてしまうのではないかと思います。

 どいさん以外の知事候補は、どの方も同じようなことを言っています。「給料は安ければ安いほうがいい」という悪循環に陥ってしまうのではないかと思います。

内需拡大を

 2011年春闘は、雇用の安定と賃上げで内需拡大を求める、たたかいと共同を広げる取り組みです。

 私たちは、政府や財界が振りまき、研究者やマスコミが流す誤りをきちんと見抜いて「これからは内需に転換しなければならない」ことを、相当勉強していかないと、世論を形成することができないと思います。

 選挙でも主張してたたかっていきたいと思いますし、何といっても春闘で賃上げが必要だということを訴えていきたい。

 財界のシンクタンクも「世界の中でデフレ不況が起きているのは日本だけだ。世界の中で10年間賃金が下がり続けているのは日本だけだ。したがって日本のデフレの原因は賃金引き下げにある。非正規労働者の労働条件の改善と最低賃金の大幅な引き上げに真剣に取り組まなければならない」と言っていました。

 私たちの春闘を元気にたたかっていきたいと思います。今年もがんばりましょう。