愛知民報

【10.09.05】市民と共に全員野球で奮闘 日本共産党市議団 

市民の改革の願いを受け止め、その願いに逆行する河村市政の問題点をただしながら、市民要求にこたえる建設的な政策提案を行ない、市政を前に進める役割を果たしています
 国民健康保険料引き下げを求める署名の協力を求めるわしの恵子議員

市政改革をリード 市議団政審委員長 田口かずと議員語る

 早期市議選の可能性をはらむ激動の名古屋市政で、市民の要求実現と議会改革に取り組んでいる日本共産党市議団の役割について、同市議団政策審議委員長・田口かずと議員に聞きました。

願いに応え市政を前へ

 ――共産党市議団の役割は。

 昨年4月の名古屋市長選で長年続いた「オール与党」市政を崩し河村市長を誕生させた力は「政治を変えたい」という市民の強い願いでした。この流れは夏の総選挙での自公政権退場につながりました。

 私たち日本共産党市議団は、市民の皆さんの改革の願いをしっかり受けとめ、その願いに逆行する河村市政の問題点をただしながら、市民要求にこたえる建設的な政策提案をおこない、市政を前に進める役割を果たしてきたと思います。

市長の公約違反

 ――市長は、減税は「市民との約束」と言っていますが。

 河村市長が今年6月に実施した市民税10%減税は明らかに公約違反です。市長は市長選挙のマニフェストで「定率減税(金持ちはゼロ)」と明記していました。ところが市長が実施した減税は「ゼロ」どころか、金持ちほど減税額が多い、金持ち優遇減税でした。

 市長は、わが党のさとう典生議員に追及され、「『金持ちゼロ』は気持ちだ」とごまかしました。「市民との約束」を裏切ったのは河村市長です。

 来年度も継続実施することは公約違反を認めることになります。

真の庶民減税提案

 ――共産党は減税の修正案を出した。

 そうです。福祉や財政と両立する庶民減税案を提案しました。本会議で江上ひろゆき議員が提案説明を行ないました。年収800万円以下を対象とした個人市民税の減税ですから、文字通り「金持ちはゼロ」。生活支援の庶民減税です。

 私は今年2月の予算議会で、河村市長の出した予算案の組み替え動議を提案しました。

 大企業・金持ち減税を庶民減税に切り替え、減税総額の圧縮と不要不急の大型事業の中止・見直しで100億円の財源を生み出します。そうすれば、国民健康保険料の大幅引き下げ、中学卒業までの通院医療費無料化、住宅リフォーム助成など市民の要求にこたえる施策が実現できるという提案です。

自動車図書館守る

 ――河村市長は、減税財源は行革でつくる、福祉は削減しないと言いますが。

 減税実施の今年度予算について、民主党市議団幹部は市民サービスへの影響はそれほどでもないと言っていました。ところが、予算原案が出て福祉・市民サービス削減の具体的な内容が明らかになり、市民の反対運動が広がりました。

 保育料の第3子以降無料の廃止、2段階保育料の導入・値上げには、1週間で4千人を超える反対署名が集まりました。

 わしの恵子市議団長が、2月議会で、お母さん方の訴えを直接聞くよう河村市長に迫り、市長との面談が実現しました。

 自動車図書館廃止問題では、市職員の労働組合が市民と連帯し反対の署名運動をすすめました。わしの議員が本会議で自動車図書館を利用する児童の写真パネルを示し、市長に存続を求めました。

 民主・自民・公明も予算修正に動き、自動車図書館は存続、保育料値上げは中止されました。

議会改革すすめる

 ――河村市長の議会改革提案が議会を動かした。

 それはきっかけです。しかも「改革」の方向が間違っています。議会が自主的な改革に動き出したことが大事です。背景には、市長選で「オール与党」体制がくずれ、議会の風通しがよくなったことがあります。

 共産党市議団は、議会改革のシンポジウムやタウンミーティングを4回開き市民の意見を聞きました。

 議会各派も、わが党の改革提案を受け入れ、1日1万円の費用弁償は廃止になり、政務調査費の領収書も全面公開が実現しました。

 山口きよあき議員が中心となって議会基本条例の共産党試案をまとめ、これを他会派にも示すなかで、二元代表制にもとづく議会の役割を果たす議会基本条例が制定されました。

民意削減を止める

 ――河村市長は市議定数の半減を提案しました。

 私は、昨年の11月議会の質問で、定数半減・小選挙区制導入で、死票・無投票選挙区・1票の格差が拡がること、多様な民意を切り捨て、民主主義が壊されることを明らかにしました。

 憲法学者ら著名な13氏が「定数半減反対、民主政治を守れ」のアピールを発表し、賛同が広がりました。市長への批判が高まり、市長はその後、定数半減を出せなくなりました。

報酬下げを提案

 ――市長の市議報酬半減の提案はどう考えますか。

 市長のマニフェストに「半減」はありません。市長が一方的に議会に報酬額を押しつけるのは越権行為というべきです。今年の4月臨時議会で、わしの恵子団長は「市長の押し付けでも、議会のお手盛りでもなく、市民参加の第3者機関で報酬引き下げを検討すべき」と提案しました。

 くれまつ順子議員は「議会と市民の対立をあおるのではなく、議会の自主的なとりくみを冷静に見守ることこそ、市民のための改革実現にもとめられている態度ではないか」と市長の乱暴な態度をいさめました。凛としたひびきは議場を圧倒し、他党議員からも拍手が起きました。

 つづく6月議会で、日本共産党は第3者機関設置の条例案を提出しました。報酬額は現行条例額より4割削減する提案を行いました。

 わが党の条例案は否決されましたが、他会派もその後、有識者の意見聴取や市民アンケートに取り組むようになりました。

 市民に開かれた報酬引き下げ議論を実現するうえで、共産党市議団が果たしている役割は大きいと思います。

請願紹介第1党

 ――市議会で共産党の存在は大きい。

 日本共産党市議団は請願紹介件数第1党です。昨年の9月議会でうめはら紀美子議員が要望したヒブワクチン費用助成が実現しました。かとう典子議員が取り上げた障害児地域療育センターの医師の欠員補充ができました。いずれも市民の請願を共産党議員が議会で後押しし実現したものです。