愛知民報

【10.08.29】外国人実習生の権利を説くガイド本「反貧困でつながろう 国境を越えた仲間たち」

改正入管法に対応 支援運動も紹介

 
 愛知県労働組合総連合(愛労連)議長の榑松佐一さんが、外国人実習生を支援するガイドブック『反貧困でつながろう 国境を越えた仲間たち』(かもがわ出版・税込945円)を出版しました。今年7月1日に施行された改正出入国管理及び難民認定法(入管法)のポイントを生かす外国人研修・技能実習制度の案内書。外国人実習生の人権擁護に取り組んできた著者ならではの内容です。

 法改正は、「研修」の名目で来日した外国人が大企業の下請け中小企業で安い労働力として酷使され、違法残業や預金通帳取り上げといった不正行為が社会問題化している事態に対応したもの。

 同書では「活用しよう改正入管法」として、制度の概要、外国人実習生の権利、労働契約、賃金・残業代の規則などを解説しています。愛労連に寄せられた外国人研修生からの相談、支援活動、国に法改正を求めた交渉の経過も紹介しています。

 “トヨタの足元”で広がるワーキングプアの実態を「反貧困」の視点で描き出すドキュメントでは県内の支援活動を紹介しています。

 中国語やベトナム語の相談用アンケート用紙も入っています。

育つ国際連帯 著者・榑松佐一さんの話

 
 経済のグローバル化のもと、世界中で「格差」が広がり、生活のために外国に出稼ぎする人が増えています。愛知県には“働く外国人”がたくさんいます。外国人実習生問題は「労働規制緩和」のもとで労働者の最下層で起きた問題です。本書を活用される方が増えることを望んでいます。