愛知民報

【10.05.23】日本経済 地盤沈下の危機 中小企業本格支援を 日本共産党 政策支援を訴え

 “モノづくり愛知”を支える中小の製造業者は死ぬか生きるかの苦境に置かれています。このほど新しい中小企業政策を発表した日本共産党は今日の経済状況を「日本経済全体の長期にわたる地盤沈下というかつて経験したことのない危機的事態」と分析。中小企業の深刻な状況を放置するなら、「日本経済全体がとりかえしのつかない衰退の道をすすむ」と警告。中小企業を本格支援する政治への転換を呼びかけました。

悲鳴が聞こえる

 愛知県商工団体連合会(愛商連)は4月、下請け製造業アンケートをおこないました。845社を訪問し、585社から回答がありました。

 回答は昨年に比べ仕事量が「4割以上減った」が69・2%。「まったく仕事がない」が4・8%もありました。この1年間に親会社から、単価切り下げの要請があった企業は53・2%。今後の見通しについて「悪くなる」と答えた企業は30%でした。

 名古屋市南区では訪問した6社のうち仕事をしていたのは1社だけ。仕事のない会社の経営者は「4月に入って仕事がなくなった」「機械は多くあるが、今の仕事は1日1台分だけ。全部の機械を毎日は動かせない」と答えています。

 あま市甚目寺地域では、トヨタ自動車の下請け企業を訪問。経営者は「多い時は従業員が数十人いたが、今は仕事が激減し、自分と妻、パートだけ。3人分の仕事しかない」。 車のシート製造者は「仕事が減り、食べたら何も残らない状態だ。借金がないので何とかなっているが…」と言います。

 愛知県労働組合総連合(愛労連)などでつくるトヨタ総行動実行委員会は、西三河地方で仕事量・単価に関する中小企業アンケートを実施。600社にアンケートを配布し、70社から回答がありました。うち49社(70%)が仕事量がピーク時より4割以上減ったと答えています。

 回答文書には「この状態が続くと廃業も余儀なくされる。余命6カ月の状態」「定期的に年2回、コストダウンの要請がくる」など下請けの悲鳴が書かれています。

業者要求を実現

経済産業省と交渉=3月18日
 県内の日本共産党は、中小業者の要求実現に取り組み数々の成果をあげています。

 豊田市の大村義則市議は議会で市に、下請け単価の切り下げに苦しむ全市規模の中小企業の実態調査を求めました。市は「臨時職員を雇用し調査をおこなう」と答えました。
 知立市の同党市議団も議会で市内業者の実態調査を要求。市は「豊田市の調査を参考に検討する」と答えました。

 同党岩倉市議団は、零細企業の受注拡大をはかるため「小規模工事等希望者登録制度」を提案。今年4月から、市の発注する予定価格30万円未満の小規模工事について契約を希望する業者は市に登録し随意契約をおこなう制度が実現しました。弥富市でも同党議員団の提案で同制度が今年度から実施されました。

 日本共産党愛知県委員会は3月、かわえ明美参院比例予定候補、もとむら伸子参院愛知選挙区予定候補らが参加し、中小企業の工場の家賃や機械のリース代金など固定費への支援を求め、経済産業省と交渉しました。

 同省は4月、金融機関に対し中小企業がかかえるリース代金の支払い猶予に応じるよう通達を出しました。

日本共産党の中小企業政策骨子

◆大企業と中小企業の公正な取引を保障するルールをつくります
◆本格的な中小企業振興策をすすめます
◆中小企業を支援する税制と社会保障のしくみをつくります
◆「中小企業憲章」と「中小企業振興条例」を制定し、中小企業政策を総合的に見直します
◆「日本の宝」――町工場を守るため、固定費補助などの緊急・直接支援をおこないます