愛知民報

【10.04.04】名古屋市 河村市政の市民犠牲に「ノー」

お金持ち減税のつけ回しは困ります

 「『庶民革命』の河村さんが『庶民いじめ』をやろうとは。裏切られた思いです」――。河村たかし・名古屋市長の新年度予算に盛り込まれた保育料値上げや自動車図書館廃止、市立病院の廃止、環境行政の後退など市民犠牲の数々。怒る市民の運動と日本共産党市議団の論戦が響き合って市議会を動かし、保育料値上げ中止、自動車図書館存続の予算修正が実現しました。
保育料値上げ中止を名古屋市に申し入れる市民

保育料値上げ中止、自動車図書館存続に

 河村市長の「市民税減税」で税収は前年度に比べ161億円減ります。福祉・市民サービスへのしわ寄せが心配されていました。

 予算原案発表時、市長選で河村氏を推せんした民主党市議団は「思ったより市民サービスへの影響は少ない印象」(団長)と見ていました。

 ところが、予算の中身は市民犠牲が目白押し。午後4時以降の保育料値上げ、第3子以降の保育料無料化廃止、自動車図書館の廃止、市立病院も市営廃止…。市民や日本共産党の反対署名運動が急速に広がりました。

 わしの恵子・日本共産党市議団長は本会議で「大企業にはどっさり、庶民にはちょっぴりの“逆立ち減税”で猛烈な福祉切り捨てをすすめる『構造改革』予算」と批判。保育料値上げの中止、自動車図書館廃止の撤回を市長に迫りました。

 同党市議団は、予算の組み替え案を市長に提出。個人市民税上位2人分の減税額で自動車図書館を存続でき、大企業2社分の減税額で保育料をすえ置けることを明らかにし、大企業・金持ち優遇減税の抜本的見直しを求めました。

 こうした動きに押され、民主・自民・公明は予算修正を協議。保育料値上げ中止、自動車図書館存続、市民税減税を1年に限ることが合意されました。

 減税見直しの議論では、企業や高額所得者を減税対象から外す意見も出たといわれます。昨年の市議会で河村「減税」に賛成した3会派が見直しせざるをえないところに河村「減税」のひどさが現われています。

 3月24日の市議会で、保育料値上げ中止、自動車図書館の存続が決まりました。市民の運動と日本共産党の論戦が市議会を大きく動かしました。

河村減税とは

 河村市長は市長選マニフェストで「定率減税(金持ちはゼロ)、定額減税、子育て減税、勤労者減税、社会保障減税、それらのミックスもあり」と公約していました。

 ところが、市議会に出た減税条例案は、もうけている大企業や大金持ちほど減税額が巨額になる定率減税方式。「『金持ちはゼロ』の公約に反する」との批判にたいし「『ゼロ』は精神」とごまかし、「減税は生活支援のためでない」と開き直りました。

 河村市長の2010年度予算案で、「減税」のねらいが大企業や富裕層を名古屋に誘い込む作戦であり、減税による税収不足をテコに「聖域なき行財政改革」=福祉切り捨てを強行する“道具”であることが浮かび上がりました。