愛知民報

【10.03.28】県営名古屋空港利用実態調査 近くて便利な空港

 
 県営名古屋空港の開港から5年。愛知県は同空港の利用実態調査(2009年)の結果を発表しました。

 名古屋空港を出発する旅客の行き先は、福岡県が最多。一方到着する旅客の7割以上が名古屋市内を最終目的地となっています。

 路線が名古屋空港と中部国際空港の両方ある場合名古屋空港を選んだ理由は「自宅や会社に近い」が5割を超えています。

 利用者は「出張に都合のよいダイヤ設定」「直行バスの増便」「みやげ物や飲食店の増床、品揃えの拡充」を要望しています。

 08年秋以降の不況の影響で国際ビジネス機などのチャーター便が減少し、旅客数は2年連続で減少していますが、08年度の利用者は41万人。当初予測38万人を上回る109%の実績で「堅調」といえます。

 着陸回数は開港後は年間3万2千回前後で推移する中、航空自衛隊小牧基地所属の自衛隊機の着陸回数が2年連続で増加しています。

 中部財界は需要が当初予測に満たず低迷する中部国際空港に旅客を集中させるため県営名古屋空港の国内線を中部に移し、「一元化」することを要求しています。財界の要求は“近くて利用しやすい空港”を求める利用者の実感と大きくかけ離れていることが明らかになりました。

 「一元化」されれば、県営名古屋空港は自衛隊専用空港になる懸念があります。

 名古屋空港の利用者からは「中部国際空港とは役割とメリットを明確にして両者が共存することを期待する」という声が出ています。