愛知民報

【09.09.06】中学生の夏休み学習行事 自衛隊体験に10年間で144人

日本共産党 中止申し入れ 市教委「はずす方向で検討」

 半田市立の中学校で夏休みの学習行事として「自衛隊体験」が行われていることが分かりました。

 日本共産党半田市議団の調査によると、半田中学校では学校の“荒れ”や教員、生徒関係の改善をはかるという名目で、2000年度から毎年、航空自衛隊小牧基地、同浜松基地、陸上自衛隊明野駐屯地などで見学・体験活動がおこなわれ、09年度までの10年間にのべ144人の生徒が参加しました。

 08年度の場合、生徒8名が2泊3日で小牧基地を訪問。体験学習プログラムには、イラク戦争での米軍支援の空輸活動に参加したC130H輸送機の同型機見学や輸送機部隊員との交流も含まれています。

 同党市議団は7月9日、半田市教育委員会に中止するよう申し入れました。同教委は「学校から報告がなく掌握していない」と回答。同党市議団は調査とその結果の報告を求めました。その後、同教委は、10年間の実態を報告。「来年度以降は自衛隊体験活動をはずす方向で検討」と表明しました。

 県内では春日井市内の子ども会が「夏休みサマー体験」と称し、陸上自衛隊春日井駐屯地で小中学生の「自衛隊体験」を実施。平和団体の申し入れで08年度から中止されました。

 全国各地の自衛隊は「国防意識向上及び隊員募集広報」を目的に中高生対象の自衛隊体験を計画。内容に戦闘機や戦車の体験同乗などが含まれています。

九条の平和教育を 榊原勝彦半田市議

 この体験活動の意図が国防教育や隊員確保にあることは自衛隊のホームページなどから明らかです。戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認の憲法9条を生かし、国際紛争は外交で解決する平和教育を行うべきです。今後も引き続き追及していきます。