愛知民報

【09.07.05】甚目寺町ごみ収集 町長主導で違法指導か うごめく黒い利権 日本共産党議員が議会質問 

 町のゴミ収集事業で、会社名を隠した収集車がゴミ集めに回っている。違法下請けではないか――。日本共産党議員の追及に、町当局は違法を認め、町長は「全責任は私にある」として自らの減給処分を表明しました。しかし、なぜ違法行為がおこなわれたのか、真相はヤミの中。「同和」利権の影もちらついています。隣接町との合併をひかえる海部郡甚目寺町で何がおきているのでしょうか。

不可解

 「会社名を隠した収集車がゴミを集めている。おかしい」

 そんな情報が日本共産党の野中ゆきお甚目寺町議に寄せられました。

 町が可燃ゴミ・不燃ゴミの収集・運搬を委託している業者は豊栄運輸と海部清掃の2社だけ。

 ところが同町の一部地域では別の業者が収集作業をおこなっているというのです。

 町の事業なのに、なぜ社名を隠すのか、不可解です。同議員が町内を調査すると、問題の白いテープで会社名を隠したゴミ収集車が「オールサービス」という名前の会社の駐車場にとめてありました。

違反の再委託

 野中議員がこの6月議会で、町とオールサービスとの契約関係を質問すると、町当局は「契約はしていない」が、「指摘の業者にゴミ収集をしてもらっている」と答えました。

 町が委託契約せずに業者を使っておれば、契約規則違反の疑いが出てきます。では、委託業者の下請けとして使っているのか―。

 町側は委託業者にたいし下請け(再委託)に出すよう指導したことを認めました。

 廃棄物処理法は、委託業者が他の業者に再委託することを禁じています。町は違法の再委託を指導したことになります。

重い行政責任

 甚目寺町の場合、家庭から集めたゴミは名古屋市営の五条川清掃工場に持ち込んで焼却処分されます。

 同工場への搬入車両は登録制。野中議員の調査によると、オールサービスの登録車両のナンバーや重量などの情報は町から提供されていました。

 野中議員は「町と業者が一体となって違法行為をおこなっていたのではないか」と追及しました。

業者とのゆ着

 行政がオールサービスのゴミ収集事業参入のために、なぜ異常なほど熱心に動いたのか。

 「同和」利権を指摘する声があります。不可解な会社の経営者は自民党系の全国同和組織の幹部といわれます。

 甚目寺町は今年度中に隣接する七宝町や美和町と合併する計画です。合併後の新市の行政サービス事業への参入をねらった布石との見方もあります。

真相隠し

 野中議員は、真相究明と法令順守のため「議会が本格調査する必要がある」と訴え、地方自治法100条にもとづく調査特別委員会(100条委員会)の設置を求める動議を提出しました。しかし、10対5の賛成少数で否決されました。

 町長はあわてて、オールサービスとの委託契約を随意契約で結びました。これでオールサービスはゴミ収集業務の下請けから元請けになったわけです。

 関係業者におとがめはなく、町長自らの「減給処分」で“一件落着”とは余りに無体。臭いものにフタではすまされません。

引き続き追及する 日本共産党 野中ゆきお甚目寺町議

野中ゆきお議員
 私のところには激励が相次いでいます。オールサービス社との新たな契約や町長の減給で済む問題ではありません。秘密裏に事実上の契約を交し、税金を使っていたことが問題です。行政の私物化です。3町合併で利権まみれの違法を広げてはなりません。引き続き追及していきます。