愛知民報

【09.05.17】西知多道路 1500億円 空港連絡道路利用低下しているのにまたも巨額アクセス道路

 東海市横須賀インター付近の西知多産業道路
 愛知県はこのほど、不振に陥っている中部国際空港(常滑市)への新たなアクセス道路として建設しようとしている西知多道路の概要計画の方向性を発表しました。

 西知多道路は、知多半島西部の東海市~常滑市間の約20キロメートルに建設が構想されている自動車専用道路。高速走行が可能な地域高規格道路として構想され、中部国際空港、名古屋港、第2東名高速道路に接続。現在建設工事中の名古屋高速4号線が開通すれば、名古屋都心部から中部空港までを30分~40分で結び、従来の知多半島道路経由より10分程度短縮されるといいます。

 県が示した概略計画の方向性によると、北部区間の東海市―知多市間は西知多産業道路の「拡幅6車線化案」。現在の西知多産業道路を4車線から6車線に拡幅する形です。

 知多市~常滑市間の南部区間は、現在の国道155号線に沿って内陸側に盛り土式の西知多道路を新設する「バイパス案」。

 建設費は北部区間の「拡幅6車線化案」が約600億円、南部区間の「バイパス案」は約900億円、計約1500億円を見込んでいます。

 中部国際空港は2005年の愛知万博閉幕後、旅客数や取り扱い貨物量が減少。昨年秋以降の金融危機・世界不況の影響で旅客数、貨物量ともさらに減り、空港への連絡道路として建設された知多横断道路の交通量も低下しています。県民から西知多道路は不要との声が出ています。

 県は5月中に、東海市、知多市、常滑市の3会場で、概略計画の方向性の説明会を開く予定です。

「無駄重ねる」 日本共産党 中村祐次知多市議

 中村祐次知多市議
 西知多道路は無駄な公共事業だと思います。空港へのアクセス道路は、すでに知多半島道路とセントレアライン(知多横断道路・中部国際空港連絡道路)があります。これらの道路は交通量が少なくガラガラ状態です。空港も新しい需要が見込めない状況です。新しい道路をつくる必要はありません。西知多道路の建設は無駄に無駄を重ねる大型公共事業というほかありません。