愛知民報

【09.04.12】救急医手当に補助付けず 愛知県 病院 負担増に反発

神田県政の消極姿勢に批判

 愛知県が2009年度予算で医師確保対策の目玉として打ち出した救急勤務医に手当を支給する事業が立ち往生しています。

 この手当は国の09年度予算で新設され、勤務医が土日祝日の昼間に救急勤務すれば1万3570円、夜間の場合1万8659円を病院側が支給するもの。

 国が手当の3分の1を補助し、残る3分の2は県・市町村の補助や病院側の負担を求める仕組み。国は「都道府県、市町村が負担しない場合でも補助が可能」と通知しました。
 そこで、県が予算計上したのは国の補助額だけ。県の補助額はゼロ。県が補助しないので市町村に応じる動きはありません。

 このままでは、国以外の3分の2は病院側の負担になります。病院側から負担が大きすぎると苦情が噴出。愛知県病院協会は補助申請しない方針と伝えられます。

 県が予算に国の補助額を計上しただけなのは産科医の分娩取扱手当も同様。産科医の処遇改善のため1万円の手当を支給する事業です。「活用してほしいが、まだ反応は出てきていない」(県担当者)。

 県は独自の補助をつけない理由に「きびしい財政状況」をあげます。

 しかし一方で、神田県政は税収激減のもとでも「将来の発展に向けて」として、“水余り”が指摘されているのに設楽ダム(約40億円)や木曽川水系連絡導水路(約5億円)など不要不急の大型事業に巨費を投じています。

 県の09年度の医師確保予算約4億9600万円の8割近くを占める「救急医等支援事業費補助金」約3億9600万円が宙に浮く事態になっています。神田県政の医師確保対策の消極姿勢があらわれています。