愛知民報

【08.03.02】空自小牧基地 侵略的強化だ 空中給油機日本初配備

 防衛省が航空自衛隊小牧基地に配備する空中給油機の1号機は2月20日、岐阜県各務原市内にある航空自衛隊岐阜基地に到着。同基地の川崎重工業で整備し、29日には空自小牧基地に入ります。2号機も3月中に配備するといわれます。

 小牧基地の自衛隊機が使う県営名古屋空港(愛知県豊山町)では昨年、空自F2戦闘機の墜落事故や米海軍F18戦闘攻撃機の緊急着陸が起きました。

 空中給油機配備に住民から不安と怒りの声があがり、平和団体は抗議行動を広げています。

空中給油機=2月20日、岐阜県各務原市(横江英樹岩倉市議提供)

「専守防衛にふさわしくない」

 空中給油機は「空飛ぶタンカー」。飛行中の戦闘機や爆撃機に燃料を補給する“武器”です。これで、航続距離・時間が飛躍的に伸び、長距離攻撃が可能になります。他国にとっては軍事的脅威になります。

 田中角栄内閣当時、政府は自衛隊の空中給油機保有は「海外渡洋攻撃力を強化するから、専守防衛にふさわしくない」と言明していました。

地球規模で米軍支援

 90年代以降、日米安保条約の地球規模での展開がうたわれ、米軍支援の自衛隊海外派兵が現実化するなかで、政府・防衛省は空中給油機の4機導入、小牧基地配備を決定しました。

 すでに小牧基地のC130H輸送機部隊は戦闘の続くイラクで米軍支援の輸送任務に当たっています。日本共産党佐々木憲昭衆院議員の質問に対し防衛省は空中給油機のイラク派遣を否定せず、米軍機への空中給油も可能と答えています。

 防衛省は、08年度に空中給油機を運用する100人を超える飛行隊を小牧基地に創設する計画です。

事故を起こせば大惨事にも

 配備は基地機能の侵略的強化そのものです。しかし、愛知県など関係自治体は「基地機能強化反対」といいながら、空中給油機配備は現行の輸送機能の範囲内として配備を容認しています。

 空港に隣接する春日井市に住み、県営名古屋空港の軍事利用の拡大に反対している立松暁一さんは「航空燃料を大量に積んだ空中給油機が事故を起こせば大惨事になる。自治体は配備を拒否すべきだ」と訴えます。

対米従属ここにも どうなったF18緊急着陸

 昨年11月28日、米軍の韓国烏山(オサン)基地から神奈川県の厚木基地に向かう途中の米海軍F18戦闘攻撃機2機が県営名古屋空港に緊急着陸しました。

 1機の警報ランプが点灯したといいますが、原因の説明はないままです。

 機体後部の着艦フックを下げて着陸したため誘導灯6基を壊しました。修理代の弁償はどうなっているのでしょうか。

 「改修が終わったところ。修理費が確定すれば防衛省に請求することになる」と県営空港担当者。「修理費の概算見積もりは」の問いにたいし公表を拒否しました。

 防衛省によると協定で修理費費の4分の1は日本負担とのこと。壊された日本側がなぜ一部負担しなければならないのか。対米従属の協定は見直すべきです。